名古屋・豊橋発,弁護士籠橋の中小企業法務

名古屋,豊橋,東海三県中小企業法務を行っています。

知財・不正競争・独禁法

№2445 商標権侵害警告書

インターネットによって自社ブランドの確立も比較的容易になっている。楽天市場や仮想空間で検索上位にあげるために多くの会社が努力を続けている。資金もばかにならない。 しかし、こうした自社ブランド、他社にまねされたり、他社ブランドをもじって利用し…

№2437 安売り表示と景表法違反

メーカー希望小売価格と二重線で消して安い価格を表示する,二重価格表示は時として景表法違反となる。 景表法5条は「一般消費者に誤認される表示」で「不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められるもの…

№2415 デッドコピー

模倣品のことをデッドコピーというが,著作権や意匠権,特許権などの知的財産権を侵害する可能性がある。この場合,販売や輸入の阻止が可能となるが,知的財産権がないような場合には不正競争防止法を利用することになる。同法は「商品の形態(当該商品の機…

№2374 ノウハウの提供の無理強い

中小企業は独自のノウハウで生き延びているのだが、大企業は製造方法やレシピを教えろとか、図面を出せとかあれこれ無理強いしてその提供を求めてくる。こういうときには独占禁止法を利用して企業と交渉するのも有効だ。 もちろん、正面から戦ったのでは二度…

№2302 技術の保全と競業避止義務

№2302 技術の保全と競業避止義務 社員退職に伴う技術漏出を防止するために競業避止義務を利用します 従業員や役員が会社退職に併せて技術が盗み出されてしまうことを防止するために私たちは社員らに競業避止義務,同業に就労することを禁じる条項を課すこと…

№2177 「工楽松右衛門」事件

№2177 「工楽松右衛門」事件 「工楽松右衛門」ブランド 原告NPO法人高砂物販協会は「工楽松右衛門」(くらくまつうえもん)が江戸時代に開発した帆布を忠実に再現して,町おこしブランド「松右衛門帆」の販売を始めた。ウェブを見るとかなりまじめな取り組みで…

№2272 「まんぷく食品」の顧問弁護士だったら

№2272 「まんぷく食品」の顧問弁護士だったら 朝ドラ「まんぷく」がおもしろい NHK朝のドラマ「まんぷく」は大人気で,私は毎朝見ている。やっと「まんぷくラーメン」を完成させ,テレビコマーシャルを利用して大いに成功している。ところが,偽物が次から次…

№2197 並行輸入と商標権侵害

№2197 並行輸入と商標権侵害 商標によって,出所がわかり品質が保証されます 商標とは商標とは、事業者が、自己(自社)の取り扱う商品・サービスを他人(他社)のものと区別するために使用するマーク(識別標識)とされている。商標法に基づき登録されて商…

№2186 垂直的制限行為

№2186 垂直的制限行為 垂直的制限行為ってなんだろう 親事業者が販売区域をしてしてきたり,同業他社との取引を禁止してきたりしたら,あなたならどうするだろうか。同じ業者に対しては泣き寝入りしなければならないのだろうか。これらは独占禁止法の疑いの…

№2146 競業行為の差し止め

№2146 競業行為の差し止め 事業譲渡では、売主は同じ業務をしてはいけません 事業を譲るというのは,お客さんもあわせて渡さなければならない。譲っておいて,同じ事業をやられたのではお客さんが移らない。そのため,事業譲渡では譲渡人の競業避止義務は最…

№2141 「まとめブログ」 対応

№2141 「まとめブログ」 対応 SNS名誉棄損記事の違法性 インターネット記事をつまみ食いして集め,「まとめブログ」として誹謗中傷する行為は違法行為として許されない。民事責任はもちろん,刑事事件にもないうる(最判24.3.23判時2147号61頁)。2チャンネ…

№2137 ベネッセ情報流出事件の顛末

№2137 ベネッセ情報流出事件の顛末 ベネッセ情報流出事件 2014年7月9日にベネッセの顧客名簿2989万件が流出した事件が発覚した。システム開発を請け負った協力会社の従業員が,ベネッセのサーバへのアクセス権を濫用したものだった。この事件の概略はWikiに…

№2123 いじめ「返品」への対抗策

№2123 いじめ「返品」への対抗策 むやみに返品はできない 最近はほとんど聞かくなくなったが、親事業者が返品して余った在庫を下請け業者に処理させるというようなことがあった。悪代官のいじめのようなもので、これは下請法に違反する。 下請法4条違反 下請…

№2094 ホールディングス

№2094 ホールディングス ホールディングスの意味 子会社をたくさんぶら下げている親会社はホールディングスと呼ばれたりしている。会社の親子関係は会社法2条3項に子会社の定義があり,基本的には過半数の株式について持っている側を親会社,持たれている側…

№1969 ユニークな形状の保護

№1969 ユニークな形状の保護 商品開発に当たって特別な機能を保護しようとすれば特許ということになる。 特別な形の保護というと、意匠、登録商標、著作権などがある。 意匠権は工業製品のデザインを保護する。 物品(物品の部分を含む。)の形状、模様若し…

№1964 商標権の保護

№1964 商標権の保護 商標とは? 商標とは、自己(自社)の取り扱う商品・サービスを他人(他社)のものと区別するために使用するマーク(識別標識)とされている(商標法2条)。商標にはブランドイメージがついているが、それを見るとどこの商品、サービスが…

№1963 知的財産の管理について

№1963 知的財産の管理について 特許、実用新案、商標、意匠、著作権などは知的財産として法律により強力に保護されている。中小企業にあっても知的財産を事業戦略にどのように生かしていくかは重要な課題だ。 これらの知的財産は人や企業の創造的な活動から…

№1947 特許、商標戦略の注意事項

№1947 特許、商標戦略の注意事項 特許、商標など真性するときにも弁護士が役立ちます 新商品を開発した際に特許権や意匠権、商標権をとっておこうという場合、その知的財産権を事業戦略上どのように位置づけるかを考慮して知的財産権を確保する必要がある。 …

№1908 類似名の商品、事業は違法となるかもしれません

№1908 類似名の商品、事業は違法となるかもしれません 商品名は商標法による商標権という権利で保護されている。こうした知的財産で保護されていなくとも、類似した商品名を利用した場合は不正競争防止法違反となる場合がありうる。中小企業法務を取り扱う弁…

№1902 ゲームアプリと著作権の帰属(会社か個人か?)

№1902 ゲームアプリと著作権の帰属(会社か個人か?) ゲームアプリにも著作権は認められる(第一次パックマン判決〔東京地裁S59.9.28判事1129号120頁〕〔中古ゲームソフト事件、最判H14.4.25〕)。 しかし、ゲームと言ってもいろいろで、つりゲームのような…

№1864 著作物の取り扱いって?

№1864 著作物の取り扱いって? 著作物は著作権によって保護されている。勝手に複製したりすることはできない。でも、私的使用は許されるんじゃないの? 【私的使用】 著作権法30条は私的使用目的であれば著作物を利用できるとしている。 「 個人的に又は家庭…

№1844 売買契約における特許の取扱

№1844 売買契約における特許の取扱 継続的な売買契約を締結する場合、次ような特許にかかわる条項が入っていることがある。この条項には注意を要する。 ① 甲(売主)は乙の納入する物品並びにその製造方法及び使用方法が第三者の特許権を侵害しないことを保…

№1819 公開データベースの保護

№1819 公開データベースの保護 情報は、今や人・もの・金に次いで第4のファクターになるほど事業上の大きな要素になっている。 大量データは整理されデータベースとして利用されている。データベースをウェブ上で公開することによって利益をあげる事業も存在…

№1762 競業他社による顧客の略奪

№1762 競業他社による顧客の略奪 普通にはない話だが、競業他社が顧客を丸ごと奪うことがある。たとえば、取締役及び幹部を数名引き抜いた上に、顧客の事業部を奪ってしまう、あわせて当該会社の違法行為を内部告発させて営業停止に追い込むというようなスト…

№1759 大企業の「転注」脅かしに負けるな

「転注も視野に入れております。」という言葉は大企業資材部の殺し文句だ。 「転注」とは注文を転じる、つまり取引を打ち切るという意味に他ならない。大企業からの継続的な受注を前提に生産している中小企業にとってこれほどきつい言葉はない。 私の依頼者…

№1721 会社の顧客を奪う社員らの責任

№1721 会社の顧客を奪う社員らの責任 会社から独立した社員が、会社の顧客奪うなどしたことで不法行為責任が認められた事例がある。 国民には職業選択の自由があるから、一般的に言うと退社した社員が同業を開業しても自由だ。もといた職場の顧客を奪うこと…

№1680 起業家精神にあふれた研究者

№1680 起業家精神にあふれた研究者 中小企業にあっても最近は大学などとの連携して成功を収めている例も少なくない。独自の先端技術をもって国際展開する企業はグローバルニッチトップ企業などと呼ばれているが、こうした中小企業でありながら高技術によって…

№1627 不公正な取引と差し止め

№1627 不公正な取引と差し止め 独占禁止法19条は「事業者は、不公正な取引方法を用いてはならない。」と定めている。 不公正な取引によって「著しい損害」が発生する場合,そのおそれがある場合は損害賠償請求や行為の差し止めが請求できる(法24条)。 ある…

№1618 ネット写真貼り付けと著作権

№1618 ネット写真貼り付けと著作権 写真には著作権がある。個人の肖像が写っていれば肖像権も問題となる。ネット上の写真の貼り付けは原則として著作権や肖像権の侵害となる。しかし,提供者の許諾があれば侵害とはならない。 この点,著作権管理会社が無断…

№1601 模倣行為の禁止

№1601 模倣行為の禁止 特別な器具を外注したところ,外注先がこれをまねして同じ形の製品を作り出して売り出すという行為がある。これは不正競争防止法上,「模倣」として禁止される。 不正競争防止法は故意の模倣行為(デッドコピー:dead copy)を禁止して…