名古屋・豊橋発,弁護士籠橋の中小企業法務

名古屋,豊橋,東海三県中小企業法務を行っています。

中小企業政策

№2387 官公庁の圧力により役員を退任した事例

官公庁を相手に事業を行っている事業者が役所の政策に異を唱えた場合、役所側は陰湿な嫌がらせを始める場合がある。そのため、例えば土木、建築関係の事業者はなかなか役所に逆らえない。 本件は国土交通省発注のコンサルタント事業がいわゆる天下り先に限定…

№2219 まったなし「中小企業の事業承継」

№2219 まったなし「中小企業の事業承継」 1. 後継者が見つからなければ打つ手は2つ 日本の資本主義は中小企業によって支えられているというのが私の信念なのですが,その中小企業がどんどん減っています。 子供や親族,従業員の中に社長になる者が見つからな…

№1916 インターネット社会で勝者とは何者であるか?

№1916 インターネット社会で勝者とは何者であるか? IOT、「モノのインターネット」の定義は難しい。 世の中にいるいろいろな人々、いろいろなモノに情報発信する端末が存在して、それがインターネットを通じて集約され処理される社会だ。集約される場所は「…

№1596 中小企業は技で勝負だ

№1596 中小企業は技で勝負だ 「グローバルニッチトップ企業論」(白桃社)を読み終えた。筆者はすぐれた中小企業を自動車産業のようにサプライチェーンに組み込まれる形で発達した企業群,もう一つは規模が小さいがすぐれたパフォーマンスで独立性高く発達し…

№1366 IT産業とアジアの新展開

№1366 IT産業とアジアの新展開 「ハイテク産業からみたアジアの産業集積」という文章を読んだ。 これは「アジアの経済発展と産業技術」という本(ナカニシヤ出版)に掲載された論文の一つだ。 速い速度でのイノベーションが求められるIT業界にあっては,様々…

№1192 中小企業家同友会の国際的役割(Transnational Communityを素材として)

№1192 中小企業家同友会の国際的役割(Transnational Communityを素材として) 私が所属する中小企業家同友会では中小企業が相互に勉強しようという目的で集まっている。愛知の場合、3,300人を越える会員がいる。この数の会員が各地域の組織に所属し、例会を始…

№1191 シリコンバレー

№1191 シリコンバレー ウィキによると、「シリコンバレー (Silicon Valley) はアメリカ合衆国カリフォルニア州北部のサンフランシスコ・ベイエリアの南部に位置しているサンタクララバレーおよびその周辺地域の俗称。」ということで、地図上シリコンバレーと…

№1137 アベノミクス

№1137 アベノミクス 籠橋家では株でもうけたお金で家族旅行をすることにしている。今年はアベノミクスのおかげでこれまでの損を取り戻し、利益をあげることができた。なーちゃんの入試は残念だったが、来年の合格を祈願して家族でバリに旅行した。 円安が続…

№1140 幹部養成には「愛」がいる。(後編)

№1140 幹部養成には「愛」がいる。(後編) 彼は社長を信頼できなくなっていた。だから、少しぐらい会社の金を使ったところでバチは当たらないだろうと気持ちがゆるんでしまった。最初は少ない金額だったがだんだん大きなお金になってもう会社に隠しきれなく…

№1109 日本再生国家戦略

№1109 日本再生国家戦略 内閣官房国家戦略室が提出した日本再生国家戦略が閣議決定された。 この国家戦略は中小企業政策を重視している点で私達の間でも話題になっている。昨日は簡単な勉強会をした。私自身、新聞の範囲でしか知らなかったのでこうした勉強…

№984 「茹でガエル」蛙は知らない間に死んでしまう。

№984 「茹でガエル」蛙は知らない間に死んでしまう。 昨日は愛知中小企業家同友会総会が開かれた。総会ではいくつかの分科会で講演が行われ、私は名古屋大学の山田基成先生のお話を聞く機会を得た。 「茹でガエル」という言葉あることは知らなかった。 蛙を…

№979 経済の二重構造

№979 経済の二重構造 戦後の中小企業政策は中小企業庁設置法(1948年)、中小企業団体組織法(1957年、)中小企業基本法(1963年)から始まる。 戦後間もない頃の数年間はGHQにより財閥解体政策が進められた。一方で、経済の民主化というようなことも語られ…

№938 中小企業問題の視点

№938 中小企業問題の視点 三井逸友の中小企業政策と「中小企業政策憲章」を読み続けている。まだ、5分の1ぐらいというところか。 この本の特徴は中小企業問題の独自な領域を追求している点にある。著者は国内、欧米の豊富な文献を検討した上で中小企業問題と…

№786 中小企業政策の方向、中小企業家同友会全国大会

№786 中小企業政策の方向、中小企業家同友会全国大会 北海道の中小企業家同友会全国大会に出席している。議案書によるとこの団体の総数は全国で4万1630人となっている。愛知県は3093名で全国第2の規模だ。 今回の総会は2つの特徴がある。 ① 平成22年6月18日…

№784 事業のリレーションシップとイノベーション

№784 事業のリレーションシップとイノベーション 私の所属する中小企業家同友会では毎年、経営フォーラムとう盛大なシンポジウムを開催する。このシンポの分科会は多様であるが、今年、私たちに与えられたテーマは企業連携とイノベーションだ。 昨日私たちは…

№782 中小企業とNGO、中小企業家同友会の役割

№782 中小企業とNGO、中小企業家同友会の役割 我が国の中小企業政策は中小企業基本法と中小企業庁設置法を中核としている。中小企業と経済民主主義との関係は戦後間もない頃、中小企業庁発足当時の基本的な考えであったし、今日でも中小企業庁の存在意義と言…

№781 中小企業の存在意義、Think small first.

№781 中小企業の存在意義、Think small first. 中小企業の存在意義とはなんだろう。 大学の講義を引き受けるとこういった抽象的な課題も考えざる得ない。 元来、中小企業は多様でパパ・ママビジネスのような家族だけ営む小さな企業から、上場も間近かと思わ…

№758 もし、震災をテーマに中小企業向けシンポを開くとしたら。

№758 もし、震災をテーマに中小企業向けシンポを開くとしたら。 もし、震災をテーマに中小企業向けシンポを開くとしたら、どんなテーマにしたらいいだろうか。 愛知県の企業にとって、震災の悲惨さを知るべきであるということがあっても、それを知ることは単…

№728 震災不況 3

№728 震災不況 3 震災の影響で、愛知県の中小企業も大きな打撃を受けている。材料が来なくて仕事にならない。メーカーも含めてみんな止まっているのでやることがない。今回の震災によって日本全体が大きな傷を受けたことをまざまざと感じる。 余りにも大きな…

№727 震災不況 2

№727 震災不況 2 東日本大震災の経済的影響は全国に及んでいる。生産が止まったり、材料を確保できなくなったり中小業者は必死だ。しかも、情勢は日々変化しているためすぐに何をしたらよいか分からず、静観せざる得ないのではないだろうか。 ある自動車部品…

№726 震災不況

№726 震災不況 最近中小企業家同友会では「東日本大震災に関する第一次緊急要望・提言」を発表した。今回の震災被害は未曾有のもので、確かに国をあげて対応しなければならない。 私の依頼者、知り合いには多くの中小企業者がいる。みんな震災被害に心を痛め…

№712 市場の失敗

№712 市場の失敗 名城大学渡辺俊三先生のお話をうかがった。イギリスと日本の中小企業政策を比較するもので、それなりに興味深かった。 講演後、参加者の間で「市場の失敗」という言葉が話題になった。 市場が健全に機能すれば、適正な価格に落ち着いていく…

№676 不況下、今の課題は何か。

№676 不況下、今の課題は何か。 リーマンショック以降、日本経済が大きく変わろうとしている。それは構造自体が変わると思われるほど大きなもののように思う。中小企業もこれに対する対応は必要だ。昨今の様子をみて私は絶対に必要だとますます確信している…

№528 オープンイノベーション

№528 オープンイノベーション アジアは急速に変化し、日本企業は適応が遅れている。よい適応方法はないだろうか。若杉隆平氏(京都大学)は「グローバル市場と企業のイノベーション」という興味深い論文で、オープンイノベーションに注目する。 オープンイノ…

№527 市場の融合とイノベーションの必要性

№527 市場の融合とイノベーションの必要性 ※ 前号からの続き 若杉隆平氏(京都大学)は「グローバル市場と企業のイノベーション」という興味深い論文を書いている。 論文では欧米市場、アジア市場(特中国市場)、日本市場の関係について論じているが私には…

№526 世界市場の変化、アジア市場の変化

№526 世界市場の変化、アジア市場の変化 世界経済評論5・6月号は「アジア『内需』」をテーマにしている。アジア市場の融合化が進み、アジアは外需ではなく「内需」であり、日本市場はその一部だという問題提起だ。 若杉隆平氏(京都大学)は「グローバル市場…

№439 中小企業の研究

№439 中小企業の研究 中小企業をどのように見るかは非常に難しい。中小企業というのは規模が小さいと言うだけで、それが活躍する場面は実に多様だからだ。私が所属する中小企業家同友会も会員は本当に多様だ。それだけに、大企業にはない交流があるようにも…

№433 中小企業政策と監視機関との関係

№433 中小企業政策と監視機関との関係 中小企業基本法は平成11年に改正され、「中小企業の柔軟性や創造性、機動性に着目し、中小企業こそが我が国経済の発展と活力の源泉であり、中小企業の自助努力を正面から支援します。」(中小企業庁WEB)というものにな…

№357 中小企業基本法に対する評価

№357 中小企業基本法に対する評価 平成11年中小企業基本法は抜本的に改正された。当時の中小企業庁の説明によると、次のようになっている。 【「従来は、経済の二重構造論を背景とした非近代的な中小企業構造を克服するという「格差の是正」が政策目標であり…

№356 たまには、中小企業白書

№356 たまには、中小企業白書 中小企業家たる者、たまには中小企業白書に目を通すのも悪くないかな。 大部分は統計資料であるため、読んでいて途中で根気が続かなくなる。 というので、とりあえず、概略だけ読んでみた。 http://www.chusho.meti.go.jp/pamfl…