名古屋・豊橋発,弁護士籠橋の中小企業法務

名古屋,豊橋,東海三県中小企業法務を行っています。

№2480 ヤミ小作って違法?

農作業受託 ヤミ小作など 1. 問題の所在 農地の処分は農地法3条の許可を要する。農作業の委託については委任契約であるため許可を要しないとされている。しかし、農地の賃貸と農地の委託とは実際上区別が困難であるため、農作業の委託をヤミ小作と呼ばれたり…

№2479 ECサイト購入規約の注意事項

多数のお客を相手に商品を売買する場合に、いちいち契約書を作っていたのではビジネスチャンスを失ってしまう。さほど契約には関心のないお客にとっても面倒なことはしたくないだろう。そこで、契約書とは別に規約を用意することがある。これを私たちは定型…

№2478 農業委員会

日本では農地の在り方について農業委員会が絶大な影響力を持っている。例えば農地、権利の移転など処分に際して農業委員会の許可がいる。農地転用許可申請は農業委員会に行い、農業委員会が許可の可否について意見を述べることができる。農業委員会がが否と…

№2477 社長の退職金が90%削られた事例

社長退任時の退職金はどのように決まるか。 役員の報酬は株主総会で決めることになっている。しかし、役員退職金規程を作り、株主総会で取締役会一任する決議をすれば、取締役会で決することができる。退任時の月額報酬を基準に計算方式を決めるのが通常だ。…

№2476 耕作放棄地と早生樹

耕作放棄地に早生樹を植えて有効活用しようという試みがあるようなので、農地で早生樹を育成できるか調べてみました。 農地法との関連では、農地とは耕作目的の土地ということになります。耕作については最高裁が「耕作とは土地に労資を加え、肥培管理を行な…

№2475 生椎茸栽培用子菌種に不良が出た事例

購入した苗などに不良がある場合には不完全履行と言って賠償責任が発生する。しかし、苗などの場合、苗に不良があったのか、育て方が悪かったのかわからないことがある。病気などもどこでもらったかわからない場合もある。不完全履行といっても農業特有の難…

№2474 土地に土壌汚染があったら?  

最近の土地取引では土壌汚染の調査に関する条項を入れることがよくある。特に工業用地などを購入する時には注意を要する。いったい土壌汚染に関する法律はどのような仕組みになっているだろうか。 土壌汚染対策法 土壌汚染に対しては土壌汚染対策法という法…

№2473 ウェブ上の名誉棄損

ウェブ上の書き込みやSNSなどで悪質な書き込みがされて困ることが多い。企業、特に小売り、飲食店、サービス業では書き込みがかなりの影響力を持つため対応策に頭を痛めることになる。 対応策は確立しています こうした問題に対してはだいたい流れが決まって…

№2472 米代金を支払わなかった事例 

原告(米卸売業者)は被告(経営コンサルタント会社)に対して、「新潟こしひかり」を販売する契約を締結してこれを納入したところ、発注したのは「魚沼産こしひかり」だったとして代金を支払わなかった事例がある(東京地裁H26.6.2)。これはごく一般的な債…

№2471 iPhone撮影の写真は著作物かな?  

SNSの発達によって、スマートフォンによる写真が非常な勢いで拡散している。スマートフォンの機能もどんどん高度化していて、最近は様々な機能がほぼ自動的に調節され、美しい写真が出来上がっている。さらには生成AIによる創作写真も高度化している。こうい…

№2470 試用期間はただのお試し期間とは違います

人を採用するときに3か月から6か月の試用期間を定めることがあります。お試し期間なので本採用はいつでも見送れると思っている経営者も少なくありません。しかし、試用期間は解除権留保付き雇用契約とよばれていて、雇用契約としては立派に成立しています。…

№2469 斎藤兵庫県知事問題(弁護士の役割)その7

斎藤兵庫県知事問題は県民局長が知事の「パワハラ」「おねだり」「補助金のキックバック」など7項目について違法があるという内部通報に端を発した。この問題に対しては弁護士が早くから関与していたようだが、危機管理に対して弁護士はどのようにかかわるべ…

№2468 斎藤兵庫県知事問題(負のスパイラル)その6

斎藤兵庫県知事問題は県民局長が知事の「パワハラ」「おねだり」「補助金のキックバック」など7項目について違法があるという内部通報に端を発した。「事実の否定と居直り」という斎藤知事の対応は危機管理の観点からいうと誤っている。経営者としてはこの教…

№2467 斎藤兵庫県知事問題(危機管理)その5  

斎藤兵庫県知事問題は県民局長が知事の「パワハラ」「おねだり」「補助金のキックバック」など7項目について違法があるという内部通報に端を発した。斎藤知事は通報を知るや否や、通報者を探し出したうえ、当人を処分し、記者会見では「うそ八百」とかなり激…

№2466 斎藤兵庫県知事問題(勤務中の通報文作成)その4

斎藤兵庫県知事問題は県民局長が知事の「パワハラ」「おねだり」「補助金のキックバック」など7項目について違法があるという内部通報に端を発した。知事は勤務中に通報文を作成していたことについて「不満があるからと言って、業務時間中にうそ八百を含めて…

№2465 斎藤兵庫県知事問題(内部通報者の詮索事例) その3

斎藤兵庫県知事問題が連日メディアを賑わせている。県民局長が知事の「パワハラ」「おねだり」「補助金のキックバック」など7項目について違法があるというものだ。県民局長は県の内部通報にも同様の内容を通知している。この問題はコンプライアンスや危機管…

№2464 斎藤兵庫県知事問題(通報情報の信用性判断) その2

斎藤兵庫県知事問題が連日メディアを賑わせている。県民局長が知事の「パワハラ」「おねだり」「補助金のキックバック」など7項目について違法があるというものだ。県民局長は県の内部通報にも同様の内容を通知している。この問題はコンプライアンスや危機管…

№2463 斎藤兵庫県知事問題(内部通報) その1

斎藤兵庫県知事問題が連日メディアを賑わせている。県民局長が知事の「パワハラ」「おねだり」「補助金のキックバック」など7項目について違法があるというものだ。県民局長は県の内部通報にも同様の内容を通知している。その後の百条委員会でいくつもの事実…

№2462 カスタマーズハラスメント(カスハラ)

ホテルやコンビニ、鉄道などでお客がどなりちらして従業員をいじめている現場をみることがある。見ていて痛々しくて何かしてあげたいと思うがなかなか声がかけられないという経験はないだろうか。こうした、「お客」という一種の優越的な立場を背景に限度を…

№2461 chatGPTで作ったカスハラルール(病院編)

ChatGPTでカスタマーズハラスメント対応方針を作ってみました 私の顧問先には病院などもあり、患者の医療従事者に対するカスタマーズハラスメント対応が問題になっています。病院における患者対応方針のルールをchatGPTに手伝ってもらいました。かなりできが…

№2460 老いた親の財産管理

老いた母が施設にいます。認知症になり徐々に判断能力が低下しています。身体も弱まり外出もままなりません。銀行引き出しは本人を連れ出さなければならないことが多く、かなり面倒な状態になっています。よい対策はあるでしょうか。 後見制度 後見制度(成…

№2459 取引社会での「紛争」の考え方

紛争はこんなところから始まります。 取引社会では売主が提供するものと買主が提供する金銭が等しいものと考えて契約が成立する。これは売買に限ったものではなく、例えば役務とよばれるサービスの提供でも同じ事だ。請負契約でも引き受けた仕事と支払う代金…

№2458 定期借家権

関東を中心に「定期借家権」なる契約が徐々に広がっている。建物賃貸借は借地借家法という法律によって借家人が強く保護されている。いわゆる「居住権」とかいわれているものがそうだ。いったん貸したら返ってこないとよく言われる。例えば期限が来ても、法…

№2457 賃貸物件で出火した場合の対応

出火は思わぬところで発生する。自社が借りている地下駐車場で自社自動車が出火するとスプリンクラーが発動したり、消化剤が自動散布されたりして大変なことになる。オフィスであれば自社は水浸しになる上、下階や隣接テナントも水浸しになってしまう。共用…

№2456 競争は有益か?

「競争しない競争戦略」を読み始めた。企業法務を実施する上では経営学は非常に重要だ。法的な判断は経営者が考える戦略を具体的に見えるようにすることでもあるからだ。著者はマイケル・ポーター学?の専門家だ。 リーガルサービスには経営学は必要 例えば…

№2455 複数契約の解除

取引関係が複雑になってくると同じ当事者間でも複数の契約を締結する場合がある。例えばリゾートマンションの区分所有権で不動産売買契約、これとセットでリゾート施設の利用権契約を締結する場合がある。 M&A契約でも、当事者間では株式の売買契約であるが…

№2454 土地売買で土壌汚染関連条項の注意事項

土地取引をする場合、土壌汚染がどうしても気になる。土地の経歴から見て有害物質汚染がないというだけでは安心できない場合がある。法整備のない昭和20年代から50年代にかけての廃棄物処分場跡地だったり、自然由来の有害物質というのも存在する。 土壌中有…

№2453 近頃多い、委任契約エトセトラ

民法には似たような契約として委任契約、請負契約、雇用契約と似たような契約が存在している。雇用契約は労務に対して対価を支払う契約で、各種労働法が適用されるため他の契約とははっきり異なることなる。 労働契約に対する諸規制を脱法するために請負や委…

№2452 難しい復職のタイミング

休職命令とは解雇の猶予を言います 社員が私傷病で働けない状態になった場合、本来解雇となるわけだが、休職命令を出して疾病の回復を待つことが多い。休職期間を経てもなおも回復しなければいわゆる自然退職となる。休職命令とはいっても背後に退職を控えて…

№2451 懲戒解雇のプロセス

解雇には普通解雇と懲戒解雇とがある。懲戒解雇は就業規則上の懲戒事由に該当する場合で、「処罰」の意味合いがある。就業規則には一般的には懲戒事由とともに懲戒手続きが定めてある。 懲戒解雇は最も重い懲戒 懲戒解雇は懲戒の中でも最も重いもので、懲戒…