名古屋・豊橋発,弁護士籠橋の中小企業法務

名古屋,豊橋,東海三県中小企業法務を行っています。

会社分割と債務、倒産、事業再生

№2391 破産とは何だろうか

企業が債務超過になって、キャッシュフローが途切れると企業は「倒産」になる。倒産というのは法律用語ではないが、一般的には破産をイメージすることが多いのではないか。こうしたコロナ不況の時代になると社長の頭には「倒産」の二文字が湧き、夜も寝られ…

№2314 事業譲渡の債務承継の回避

№2314 事業譲渡の債務承継の回避 事業譲渡によって借金を切り捨てることは可能です 事業譲渡の大きな目的の一つに,大きな債務負担から解放されるというものがある。つまり,譲渡会社に借金を残し,新会社に事業だけ移すというものだ。こういうことが倫理的…

№2278 「Xデー」,倒産の日

№2278 「Xデー」,倒産の日 当事務所のポリシー 当事務所の基本方針はどんな時でもあきらめない。最後の最後まで依頼者につきあっていくというものだ。それでも,倒産してしまう時がある。いったい倒産の日というのはどのようなものだろうか。 「倒産」って…

№2264 事業譲渡による会社再生

№2264 事業譲渡による会社再生 事業譲渡によって負債を切り離す リーマンショックのころから事業譲渡によって会社再生を図る手法がかなり一般化してきた。企業の黒字部分を独立させて借金と切り離す手法だ。たとえば,政府が進めている地域経済活性化支援機…

№1879 負債ある会社の承継問題

№1879 負債ある会社の承継問題 負債が多額にある会社については事業承継は難しい。 特に製造業系ともなると、数千万円、億単位の負債の普通にある。事業者は負債に慣れていても、それまでサラリーマンだった者には天文学的数字だ。 負債ある会社の承継問題で…

№1847 新事業は借金を引き継ぐか

№1847 新事業は借金を引き継ぐか 債務超過会社が新事業を立ち上げ、借金から逃げていくというやり方がある。こうした発想は弁護士でも持つが、倫理的な問題を残す。健全な経済社会は健全な経済道徳に支えられないとうまくいかないというのが私の信念だ。 そ…

№1828 倒産を考える前に・・・

№1828 倒産を考える前に・・・ 借金が膨らみ資金ショートしそうになったとき、経営者の頭には破産が浮かぶ。確かにこの時点で破産手続きがどのようなものかを知っておく必要がある。世の中には生き残るための破産という考え方もあるからだ。それでなくとも、…

№1818 別会社による借金逃れ

№1818 別会社による借金逃れ 別会社を設立して、借金の支払いから逃れようという手法はしばしば見受けられる。そのため、別会社に対して責任を追求する裁判例も見受けられる。 別会社が同一の事業を継続する場合、会社法22条により別会社であっても、旧会社…

№1812 別会社による借金のがれ

№1812 別会社による借金のがれ 別会社による借金逃れを許さないという裁判例はいくつもある。「その一つに法人格否認の法理」という考え方がある。 確かに、会社経営が悪化した際、別会社を作って事業の継続を図るという手法がある。債権者にとってはたまっ…

№1771 「倒産」前に考えるべきこと

№1771 「倒産」前に考えるべきこと 「倒産」は法律用語ではない。一般的には不渡事故による取引停止、破産などが倒産と呼んでいる。会社の整理も行わないまま放置することも倒産と呼ぶことがある。 会社が倒産に至る場合、遅くともその10ヶ月前にはその日が…

№1728  銀行債務から逃げる方法はあるか?

№1728 銀行債務から逃げる方法はあるか? 借金は返すもの、返せずつぶれても事業者の自己責任だと言ってしまえばそれまでだ。しかし、資本主義社会では常に再起があってよい。 こうした事業再生の課題で一般的に考えられているのが会社分割と事業譲渡だ。こ…

№1718 倒産企業からの商品の引き上げ

№1718 倒産企業からの商品の引き上げ 企業の倒産情報が入ったらもうお金は回収できないと思わなければならない。 この場合、せめて未払いの商品ぐらいは引き上げたいというのが人情だ。 また、ブルドーザー、クレーン、工作機械はひきあげないとまずいと思う…

№1553 「廃業支援」,小規模事業者の豊かな老後の実現かな

№1553 「廃業支援」,小規模事業者の豊かな老後の実現かな 最近「廃業支援」という言葉がよく出てくる。「小規模企業振興基本法」が平成26年10月に制定され,この法律16条2項には小規模企業支援策として廃業支援をうたっている。 1. 誰にも相談することなく…

№1486 あなたが事業再生の決断をするのなら

№1486 あなたが事業再生の決断をするのなら 私の知っているある会社は何年前会社を分割する決断をした。 当時,先代が何年にもわたって,膨らましてきた借金があり,毎月毎月資金繰りに苦労していた。利益があるもののほとんど全てが銀行への支払いに消えて…

№1408 事業譲渡と負債の関係

№1408 事業譲渡と負債の関係 事業再生の手法として事業譲渡というものが存在する。事業とは「一定の営業目的のため組織化され、有機的一体として機能する財産」(人的物的組織)と定義されている。法律的には事業の定義をめぐっていろいろあるくらいなので一…

№1399 事業の休止と税金のゆくえ

№1399 事業の休止と税金のゆくえ 経営が行き詰まり,事実上倒産状態になることがある。こういう企業は消費税とか,源泉徴収分とか,社会保険料とか,企業に利益があっても無くても徴収される税金が残ることが多い。いったい,この税金はどうなってしまうのだ…

№1234 会社分割のステークホルダー(銀行)

№1234 会社分割のステークホルダー(銀行) 事業展開する上で会社分割を利用することがある。 例えば、不採算部門があって場合によってこの部門を切り離さなければならない時がある。この部門が会社にとって大きな不安定材料となっている場合には会社として…

№1203 ある会社の倒産と再生

№1203 ある会社の倒産と再生 当事務所は会社の破産や再生事件が多い。 会社破産はもう店をたたむというものだが、中には破産を利用して再生を図るという一見矛盾した例がある。 最近引き受けた事例だが、この社長は2つの会社を経営していた。A社は事業破綻…

№1204 会社分割の濫用事例

№1204 会社分割の濫用事例 会社分割を債務逃れのために利用する手法に対して、これを問題視する最高裁判例が最近出た(最判H24.10.12判時2184号144頁、一審大阪地裁H21.8.26、二審大阪高裁H21.12.22)。 会社分割は一つの会社を2つに分割する制度で、既存の…

№1194 会社分割と債務の整理

№1194 会社分割と債務の整理 債務が根雪のように溜まった企業では会社分割が有効だとよく言われる。 特にサービス業で従業員が20人ぐらいいたり、製造業でも50人ぐらいの規模になると会社分割が有効なことがある。会社を分割して事業を承継するため、顧客の…

№1187 「経営破綻」の対処法

№1187 「経営破綻」の対処法 経営破綻の予兆は必ずある。経常赤字が2年から3年ほど続き、毎年のように借金が増えていくようであれば、経営がいつ破綻してもおかしくない。経営者は運転資金をえるために借金や私財の提供を続けることになる。 経営破綻には必…

№1104 倒産になる前に

№1104 倒産になる前に 私の周りでは最近倒産事件が増えている。リーマンショック以降、円高、東北大震災、原発事故、タイの洪水、日中関係の悪化と不安材料が続いている。こうした悪影響に耐えられずついに倒産に至るという感じだ。 最近、ある企業の相談を…

№1066 生き残りをかけて

№1066 生き残りをかけて 最近,労働組合の相談をあいついて受けている。 いずれも解雇の相談だが,あわせて未払い残業代も持ち出されている。 解雇は労働者契約法によって制限されている。労働者契約法16条は合理的理由があり,かつ社会的相当性がなければ解…

№1058 事業承継と負債

№1058 事業承継と負債 創業が古い企業には,負債が根雪のようにたまっていることが多い。 運転資金を借り入れたものの,返済ができず,借り増しで対応するうちいだんだんと借金が積み重なっていく。そのうち,経営者にとって借金がある状態が当たり前になっ…

№1036 企業分割と債務の承継

№1036 企業分割と債務の承継 ひところ,企業分割が事業再生に有効だというので利用されたことがあった。分割会社に債務を残し,資産だけを新設会社などに移すタイプの分割だ。放置すれば倒産して全ての資産が雲散霧消する,そうであれば一部でも事業体を残す…

№884 債権譲渡と会社分割

№884 債権譲渡と会社分割 会社分割とは文字通り会社を分割するもので、1つの会社が2つ以上の会社になる場合を言う。新しい会社にどんな財産、どんな債務を移すかはかなり自由に定められる(会社法789条1項2号、810条1項2号、828条2項9号、10号など)。 たと…

№711 会社分割と詐害行為、何が取り消されるか。

№711 会社分割と詐害行為、何が取り消されるか。 会社分割によって債務を免れることはできるだろうか。 会社分割によって分割会社(旧会社)はもぬけの殻となり、新設会社(新会社)は優良部門を無借金経営する。これが会社分割による事業再生、債務逃れの手法…

№709 会社分割と詐害行為取消権

№709 会社分割と詐害行為取消権 会社分割と債務回避の問題は法律家の世界ではかなり議論が整理されつつあり、対抗手段として最も有効に機能するのは詐害行為取消権だという結論に落ち着きつつあるように思う。しかし、判例は定着して簡単ではない。会社法で…

№708 会社分割で借金から逃げられるか?

№708 会社分割で借金から逃げられるか? 依頼者のために会社分割の問題を整理している。 会社分割によって借金を分割会社(旧会社)に残して、新会社で経営する、そんなことはどこまで可能だろうか。 分割会社の債権者が新会社(承継会社、新設会社)に債権を…

№707 会社分割手続と債務追及の回避

№707 会社分割手続と債務追及の回避 私は依頼者のために会社分割の問題を整理している。 1. 会社分割と債務の関係 会社分割は株式の交付、交換などを通じて組織そのものを分割、移転、吸収する。借金は分割会社(旧会社)に残して、優良部門を分けることも可…