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№1187 「経営破綻」の対処法

№1187 「経営破綻」の対処法
 経営破綻の予兆は必ずある。経常赤字が2年から3年ほど続き、毎年のように借金が増えていくようであれば、経営がいつ破綻してもおかしくない。経営者は運転資金をえるために借金や私財の提供を続けることになる。

 経営破綻には必ず理由がある。売上があるのに利益があがっていないのであれば当然改善の余地がある。それは売上の範囲の規模で活動しないからだ。事業規模の縮小維持路線ができていないということになる。

 複数の事業部門に分かれて、不採算部門のために事業が傾くことがある。これは最悪黒字部門を独立させて赤字部門を切り捨てることを考えることになる。事業分離の手法を使うことになる。

 事業分離の手法は①事業譲渡、②会社分割が一般的だ。IT関係など特に設備が必要のない会社の場合は、事実上新しい会社が立ち上がると社長が移動するだけで何もしなくても事業が移ってしまうことがある。

 事業を分離するとは、事業という価値あるものを譲渡することになるために、その対価をどうするかが問題になる。会社分割の事例では最近では裁判例が集積し、分割会社の債権者による新設会社に対する支払が認められたりしている。

 事業を分離する際にはこの当たりの配慮、つまり事業譲渡に伴う何らかの対価の支払い、無くしてうまくいくことは少ないだろう。