名古屋・豊橋発,弁護士籠橋の中小企業法務

名古屋,豊橋,東海三県中小企業法務を行っています。

2022-01-01から1年間の記事一覧

№2449 値引きしたのに発注がない場合

3年間契約する、次の契約するといって守らない場合大口取引先と契約する場合、今後3年間契約するから安くしてくれとか、次の発注があるから安くしてくれとかいった交渉は普通に行われる。しかし、値引きしたものの期間が短かったり、次の発注がなかったりす…

№2448 国際送金による詐欺

国際送金は最近では電子情報によって指示されることがほとんどだ。そのために、取引先を装って振り込ませる詐欺も多い。取引金額が大きいと被害も大きい。取引上の本人確認は大きな課題だ。 東京地裁令和3年8月25日判決事例(判時2528号65頁)もこうした事例…

№2447 「公益通報」の考え方

社内に不正がある場合、それを社員が指摘すれば経営者としては正しい経営に貢献したと喜ばなければならないが、そうでもないところがこの問題の難しいところだ。不正行為というと、経営者としては愉快な話ではない。ここからパワハラ問題に発展することも少…

№2446 土壌汚染と売買契約

2002年土壌汚染対策法(「土対法」)が制定された結果、土地売買では土壌汚染がセンシティブな課題になっている。土地売買契約においても土壌汚染に関する契約条項が様々な形で工夫されている。土壌汚染調査もけっこうお金がかかるため省略したり、土壌汚染…

№2445 商標権侵害警告書

インターネットによって自社ブランドの確立も比較的容易になっている。楽天市場や仮想空間で検索上位にあげるために多くの会社が努力を続けている。資金もばかにならない。 しかし、こうした自社ブランド、他社にまねされたり、他社ブランドをもじって利用し…

№2444 内示書の役割

内示に従って製品を作り上げることがありますが、途中で内示と取り消されると大きな損失を被ることがあります。特注品で他に転用が効かない場合は準備行為にかかった費用をなんとかしなければなりません。これに対する対応はどうしたらよいでしょうか。 内示…

№2443 店内転倒で賠償責任を負うことがあります

店舗内の個室トイレに入室しようとした67歳の女性がトイレの段差に足を取られ,転倒して骨折などした事例で,店舗運営者に管理責任が問われた事例がある(横浜地裁R4.1.18,判時2520,53頁)。店舗経営者は転倒防止のために注意が必要だ。 施設管理責任とい…

№2442 提携に先立つ秘密保持契約  

一方が販路に強み,一方が技術・アイディアに強みという業務提携はかなり多い。この場合,販路を持つ側は顧客情報などを取られては大変と思うだろうし,技術を持つ側は技術情報を取られては大変と思うだろう。業務提携ではお互いフェアに行くという信頼関係…

№2441 業務委託契約における委託内容の明確化

ビジネス法務8月号では表題の記事が掲載されている。業務委託とは文字通り特定の業務を行ってもらう契約なのだが,何を行ってもらうか不明確な場合がある。学生達には仕事を実現する契約が請負で,単なる事務つまり人の手足となって動くことが委任だと説明し…

No.2440 出産後1年未満の女性労働者に対する解雇

男女雇用均等法9条3項は,事業主に対して,女性労働者の妊娠,出産等を理由として,解雇その他不利益な取扱いをしてはならないと定めている。同条4項は妊娠中の女性労働者及び出産後1年を経過しない女性労働者に対してなされた解雇は原則として無効としてい…

自由診療ってどこまで自由?

自由診療が増えてきました 日本では公的医療保険制度が発達しており,保険制度の適用のない自由診療というのはどこまで「自由」なのかよく分からないところがある。しかし,美容外科や美容皮膚科が一般標榜科目になって以降,自由診療領域が増えている。歯科…

№2437 安売り表示と景表法違反

メーカー希望小売価格と二重線で消して安い価格を表示する,二重価格表示は時として景表法違反となる。 景表法5条は「一般消費者に誤認される表示」で「不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められるもの…

№2437 ブランド商品の販売での注意事項

ブランド商品を販売する場合,登録商標や特許など知財関係をしっかりしておくことは当然のことだ。自社では販売力がないため,他者の販売網などを頼る場合には知財関係ばかりでなく,ある種の取引の確実性や,契約終了後も当該商品や類似商品を販売させない…

№2436 弁護士費用は請求できない?

弁護士費用はけっこう高い。500万円請求すると着手金で40万円ぐらい,報酬で50万円ぐらい,5000万円請求すると着手金で100万円から200万円ぐらい,報酬で300万円から500万円ぐらいとなる。依頼者からはこれは相手方から取ることできないのかとよく質問される…