名古屋・豊橋発,弁護士籠橋の中小企業法務

名古屋,豊橋,東海三県中小企業法務を行っています。

経営学の諸問題

№2383 スマイルカーブ

サプライチェーンと呼ばれるモノの生産販売の流れは、企画・設計、開発、生産・組立、販売、サービスとつながっている。現代社会ではこの上流部と下流部に利益が集まりつつある。こうした、上流部、下流部に利益が高くなり、生産、物流と言った中間部分の利…

№2352 コア・コンピタンス

私は経営学の基礎を繰り返し勉強している。企業法務には企業の事業上の戦略に付加価値をつけることが求められるからだ。コア・コンピタンスが大切だとわかるが、経営学はそれを実現する経営者の心は教えてくれない。稲盛経営哲学には教えてくれる。 名古屋E…

№2347 PPM / Product Portfolio Management

自社の限られた資金をどのような分野に投資したらよいかと評価する場合に利用されるのがPPMという手法だ。事業の選択と集中を行うため、事業分野を「金のなる木」「花形」「負け犬」「問題児」に区分けする。経営学の最初のころに習う。 PPMでは、「事業の成…

№2344 ドミナント・ロジック

企業は試行錯誤の繰り返しだ 京セラ稲盛会長は朝令暮改でもいいんですという。本当に企業は試行錯誤の繰り返しだ。そうして、生き残ったのがその企業のやり方はドミナント・ロジックと呼ばれるものだ。企業は何をするかという選択よりも、何をしないかという…

№2257 PM理論,リーダーの条件

№2257 PM理論,リーダーの条件 問題解決と集団維持がリーダーの条件 日本の心理学者三隅二不二さんが,リーダーの条件としてPM理論を提唱した。P行動=preference,M行動=maintenanceとなる。前者は目標達成や課題解決に関わる行動,後者は集団維持に関する行…

№2208 人は本来怠け者なのか?

№2208 人は本来怠け者なのか? 「ティール組織」(英治出版)では人は本来信頼できるという仮定から始まっている。実際にどうかわからないが,経営者は「仮定」として選択することはできる。もちろん,経営者はリアリストだ。「ティール」という夢のような会社…

№2162 スパンオブコントロール

№2162 スパンオブコントロール 一人が管理できる人数には限界がある スパン・オブ・コントロール(span of control)というのは,一人の管理職(だいたい課長)が管理できる人数の範囲,限界のことを言う。確かに,一つの会議で適正に議論できる人数はせいぜい7…

№2111 取引コスト

№2111 取引コスト 取引は不確実なものだ 取引コストという考え方は私たち法律家にとってかなり有益な考え方だ。 取引は相手があるので,いつも不確実性がある。「信頼」というのは,不確実だが信頼するという意味だ。 契約はこの不確実性に伴うコストをいか…

№1999 アンリ・ファヨール

№1999 アンリ・ファヨール ジュール・アンリ・ファヨール(Jule Henri Fayol、1841年7月29日 - 1925年11月19日)は、フランスの鉱山技師、地質学者、企業経営者で経営学者。管理過程学派の始祖で、「管理原則の父」とも呼ばれる(Wikiより)。 アンリ・ファ…

№1853 プラットフォームビジネスの構造

№1853 プラットフォームビジネスの構造 ウェブの世界は日に日に新しい出来事が生じている。プラットフォームビジネスも現在のウェブ関連ビジネスの展開のあり方を示している。 ウェブ社会では生産者、消費者、サイト経営者、ウェブ市場、SNS提供者などいろい…

№1832 他にまねできない強み

№1832 他にまねできない強み 「ストーリーとしての競争戦略」(東洋経済社)の読了もだんだん近づいてきた。今日は「他にまねのできない強み」がテーマだ。 事業戦略ではコンセプトは必須のアイテムだ。全体を貫き通す基本的な価値観がないと整合性がとれず…

№1829 コンセプト

№1829 コンセプト 「ストーリーとしての競争戦略」(東洋経済新報社)を少しずつ読んでいる。本書のキーワードは「動的」であることと「一貫性」だと思う。 仕入れ、販売、同業者との競争など競争戦略分析のツールは様々ある。業界での位置づけやマーケッテ…

№1826 ストーリーとしての競争戦略

№1826 ストーリーとしての競争戦略 「ストーリーとしての競争戦略」(東洋経済)を読み始めた。長いので2日間続けて読んでも半分ぐらいだ。筆者の楠木建先生は一橋大学大学院教授だ。マイケル・ポーターの基本的考えから説き起こしている。 筆者は、経営戦略…

№1816 マイルストンプランニング

№1816 マイルストンプランニング 「不確実性分析」(福澤英弘著)を読み終えた。 事業目標を立てては実施する。まちがったら修正する。こうしたことを繰り返して少しずつ前進するというのは事業する上で当たり前のことだ。 目標を立てて、柔軟に対応する思考…

№1687 考えながら冒険する。リスク選択・回避の同居

№1687 考えながら冒険する。リスク選択・回避の同居 リアル・オプション選択という言葉がある。事業計画には必ず不確実性が存在する。私たちはこれをリスクと呼んだりしているのだが、リスクの中にはチャンスがある。もちろん、損失もある。リアル・オプショ…

№1672 企業経営が科学的であるということ

№1672 企業経営が科学的であるということ 8月号のハーバード・ビジネス・レビューでは「営業」と特集している。ハブスポットのCEO、マーク・ロバージの記事が面白かった。彼は「報酬制度は業績拡大の最大のツールである」と述べている。 ハブスポットはイン…

№1653 差別化と創造の秘密

№1653 差別化と創造の秘密 私はニュービジネス研究会に所属しており,先日会合があった。その中で企業は差別化に集中するあまりイノベーションを起こし得ないでいるという議論があった。 今ある好調な事業を手放して新しい分野に踏み込むことはできない。企…

№1457 企業文化 (企业文化)

№1457 企業文化 (企业文化) ビジネス中国語の教科書では「企業文化」がテーマとなっている。この教科書,2005年にできたもので,中国のWTO加盟以後の競争社会を強く意識している。中国も世界の競争社会入り,本格化してきたというような期待感と危機意識に…

№1452 人は何のために働くのか?

№1452 人は何のために働くのか? ドラッカーは「仕事」と「労働」を異なった言葉として説明する。仕事は働き手によって得られた成果であるという(マネジメントⅡ,48頁,日経BP)。労働は働き手が行う生産活動だという。 当たり前のことだが,働くこと,つま…

№1427 組織として学習する

№1427 組織として学習する 事業を運営する場合,組織全体の質的向上を絶えず図りたいと考えることだろう。その場合,組織が学習しているという現象はどのようなことを言うのだろうか。 組織は組織の目的のために人が結合され学習する。個人の好みの問題では…

№1424 組織と生態学とのメタファー(弱肉強食はウソ)

№1424 組織と生態学とのメタファー(弱肉強食はウソ) 資本主義社会は弱肉強食の世界だ。シマウマはライオンに食べられる。強い者が弱い者を食いつぶし,支配していくというような言い方でたとえられる。 これはウソだ。 生態系の中ではライオンは最も弱く,…

№1417 ピグマリオン効果 自分もほめれば伸びる?

№1417 ピグマリオン効果 ほめれば伸びる? 「ピグマリオン効果(ピグマリオンこうか、英: pygmalion effect)とは、教育心理学における心理的行動の1つで、教師の期待によって学習者の成績が向上することである。別名、教師期待効果(きょうしきたいこうか)…

№1229 経営学は役立つか?

№1229 経営学は役立つか? 前から思っていたのだが、最新の経営学は目新しさばかりで何が本当にいいのかわからないとか、切り口が多すぎて何もかも考えるわけにはいかないとか、成功企業を後追いするだけだとか、いろいろ思うところがあった。 こうした経営…

№1211 リソース・ベースド・ビュー

№1211 リソース・ベースド・ビュー 「世界の経営学者は今何を考えていくのか」(入山章栄:英治出版)を毎晩少しずつ読んでいる。ずいぶんおもしろい本だ。 それはリソース・ベースド・ビュー(resource-based view、RBV)(資源ベースアプローチ)と言われる…

№1207 コーポレート・ベンチャー・キャピタル

№1207 コーポレート・ベンチャー・キャピタル コーポレート・ベンチャー・キャピタル(CVC)とは、スタートアップ企業(ベンチャー企業)に対して投資を行う企業だ。日本でもいくつかある。私の顧問先の会社もCVCの投資対象になって多額の出資を受けた。 CVCと…

№1199 不確実性とリアルオプション

№1199 不確実性とリアルオプション 新規事業は常に不確実だ。リスクと言われているのは不確実性を言い換えたに過ぎない。社長は常にリスクを引き受けて決断するが、それは不確実な中にあって、将来を見通し決断するという作業を行うことになる。 最近、私の…

№1186 海外リスクの定量化

№1186 海外リスクの定量化 海外進出へのリスク要因をいかに定量化するは経営学の大きな課題になっているのだそうだ。定量化しようが何だろうが、やる時はやるという中小企業にとっては余り縁のない話なのかも知れない。しかし、中小企業のオヤジの勘も、こう…

№1182  ストラクチュア・ホール(Structure Hole)

№1182 ストラクチュア・ホール(Structure Hole) よくわからないぞ,ストラクチュア・ホール ストラクチュア・ホールというのはソーシャルとソーシャルの隙間のことを言う。と行っても何のことかさっぱり分からないが、1つの社会と別の社会がつながっていなけ…

№1177 弱い結びつきの強さ Strength of Weak Ties

№1177 弱い結びつきの強さ Strength of Weak Ties ひきつづき経営学の入門書から。 → Book 「世界の経営学者はいま何を考えているのか」(入山章栄:英治出版) 組織が親密であると組織の創造性や生産性が高まっていく。ある研究ではこんな具合だ。 ① 教師一…

№1173 「両利きの経営」(Ambidexterity)

№1173 「両利きの経営」(Ambidexterity) 発音できないAmbidexterity 経営学の初心者中の初心者向けの入門書だが読んでみると意外に深い。 その中に「両利きの経営」という考え方が出てきた。英語ではAmbidexterityと書くのだが、うまく発音できない。専門用…