企業は試行錯誤の繰り返しだ
京セラ稲盛会長は朝令暮改でもいいんですという。本当に企業は試行錯誤の繰り返しだ。そうして、生き残ったのがその企業のやり方はドミナント・ロジックと呼ばれるものだ。企業は何をするかという選択よりも、何をしないかという選択のほうがはるかに大切だし、難しい。
ドミナントロジックの整理は必要だ
経営環境は常に変化し、企業は生き残りをかけて自社のやり方を変化させる。ドミナントロジックが整理されていることで経営戦略もより明確になっていく。時にはドミナントロジックもおおきく変化させなければならないこともあるだろう。
サービス・ドミナント・ロジック
例えば、ここ数年よく聞かれる言葉にサービス・ドミナント・ロジック(service dominant logic/S-D)という言葉がある。これはグッズ・ドミナント・ロジック(goods dominant logic/G-S)と対比される。価値の発生を「物」とその他のものに分けて考えるか、物とサービスなどを有機的にとらえて考えるかによって区別される。
価値はお客様との共創で生まれる
これは「いいもの」は高く売れるというのが、後者G-Sの発想で、物とともに何か別の価値、例えば文化など顧客との共同関係で価値が生み出されれば高く売れると考えるのがS-Dの発想ということになる。
製造業であっても自社をサービス業だという例もある
製造業者の中には、自社は製造業ではなく「サービス業」だといい、ものづくりだけでなく、いつでもどこでもジャストインタイムで供給できる体制とか、クレームに素早く対応するとか、こうした無形のサービスに力を注いている例は多い。
S-Dの例としてよく挙げられるのは、「無印良品」であるとか「ユニクロ」であるとかしているが、これも顧客との間で価値共創の発想が当てはまる。パルコなどは典型的な例かなあ。
京セラ経営12か条、第11
京セラ経営12か条というのがある。その11条は「思いやりの心で誠実に」となっている。副題は「商いには相手がある。相手を含めてハッピーであること。皆が喜ぶことです」という。稲盛氏はここに「利他の心」がこめられるともいう。価値共創の関係を生み出すには、他人に配慮する姿勢なくして成り立たない。
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