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№2383 スマイルカーブ

 サプライチェーンと呼ばれるモノの生産販売の流れは、企画・設計、開発、生産・組立、販売、サービスとつながっている。現代社会ではこの上流部と下流部に利益が集まりつつある。こうした、上流部、下流部に利益が高くなり、生産、物流と言った中間部分の利益が相対的に低下する現象をスマイルカーブと呼ぶ。下のグラフのように両端が上がって、「笑っている」ように見える。アマゾンのロゴですね。

 

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  未来経済研究室−スマイルカーブ化する日本産業 より

 

例えばグーグル

 例えば、グーグルが設計やソリューションを提案し、それに従って生産が始まる。生産は標準化され誰でもできるようになる。それならば、企画・設計の方が競争上優位に立ち、付加価値は高くなる。販売においてもグーグルが広告宣伝やライフスタイルを提案し売れれば、競争上グーグルがメーカーよりも優位に立ち利益を得ていく。

 

要するにバリューチェーンのマネジメントを制する

 要するにバリューチェーンのマネジメントを制した者に利益が集中するということだ。グーグルは下流域で私たちに庶民にライフスタイルを提案し、私たち庶民はグーグルをいいなと思って利用する。これはすでに上流域でこんなライフスタイルを提案しましょうということを決めて、それが当たって展開したということになる。

 

グローバリゼーションとオープンイノベーション

 このバリューチェーンは従来は一つの系列しかなかった。トヨタは独自の仕入れと独自の企業群による生産、独自の販売網となっていた。これはグローバリゼーション進展と共に変化が始まった。インターネットが発達し、IOTなどインダストリー4.0とか5.0とかいろいろ言われている現代社会では「オープンイノベーション」という発想が流行の最先端なっている。これは知識や情報は世界のどこからでももたらされるし、それを利用しない企業は滅ぶという考え方だ。

 

厳しいけど、ある種の楽しさと自由さがある

 スマイルカーブが描く社会は、多数の企業が特定の目的のために集まり、最も計画力がある者がリーダーとなり事業を展開する。音楽のジャムセッションのように気のあった仲間が集まり、楽しい音楽をアドリブで展開するというような感じなのだろう。

 

中小企業は今こそチャンスだ

 このスマイルカーブとオープンイノベーション時代にあって、GAFMAのような超巨大企業だけが勝ち組ではない。選択と集中によってキラリと光る商品、サービスを持っている中小企業も勝ち組になるし、参入障壁が小さくなっている分、以前よりも大きなチャンスを持っていると言える。 

 

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