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№1816 マイルストンプランニング

№1816 マイルストンプランニング

 「不確実性分析」(福澤英弘著)を読み終えた。

 事業目標を立てては実施する。まちがったら修正する。こうしたことを繰り返して少しずつ前進するというのは事業する上で当たり前のことだ。

 目標を立てて、柔軟に対応する思考方法を「仮説指向計画法(Discovery-Driven Planning / 
DDP)」というのだそうだ。いつも仮説を設定し、仮説が現実の現象と対応しているかどうか検証する。この時に検証となる標識を適切に立てることになる。

 たとえば、「1年目は100万円のマイナス、2年目は0円、3年面は100万円の利益」を目標にかかげた場合、そこから原価をいくらに設定するのか、人件費、家賃、水道光熱費などを設定する。顧客数の伸びの予測を行い、それは場所か、宣伝か、営業かなにかが原因とされていく。

 こうして、利益を生み出すファクターが特定されると、各要素の中で最も大きな要素を考慮しながら事業計画を組み立てていくことになる。

 当初要素は情報がなさすぎて各要素の変動の幅が大きい。
 しかし、事業が実施されるに従って、情報量が増えていき、変動の幅が小さくなる。その上で、当初予想と、実際の動きのずれを調整する作業が始まる。

 見直しの時期は要素によって異なる。1年過ぎないと検証できないことがあるかもしれない。1ヶ月で修正を加えなければならない要素があるかもしれない。つまり、不確定要因について、いつ見直しをするのかを決めておくのがマイルストーンを設定するという作業だ。

 マイルストーンとは一里塚のようなものだ。
 この時、予想された数値と実際の数値のずれが何を意味するか、検討し、教訓を引き出し、経営者側は学習する。そして、徐々に自社の事業を目標値に近づけていく。

 このようにして、未来を予想するとは不確実性を認識することであり、決定するとは複数ある未来のシナリオの中から現在の行動を選択するという作業である。不確実性が減るとは、情報が収集されて整理されるということであり、修正して実行することが学習するということになる。

 当たり前の作業だが、こうした当たり前の作業の中にたくさんの専門的な知見が潜んでいる。

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