№1853 プラットフォームビジネスの構造
ウェブの世界は日に日に新しい出来事が生じている。プラットフォームビジネスも現在のウェブ関連ビジネスの展開のあり方を示している。
ウェブ社会では生産者、消費者、サイト経営者、ウェブ市場、SNS提供者などいろいろな主体が複雑に関係をもって活動している。相互に関連したり、すれちがったり、コミュニティを作ったり、突然ある場所に情報が集中したり、消えたりと複雑きわまりない。
こうした、ウェブに関わる物的人的相互関係は複雑であっても一定の範囲があったり、集まるだけの必然性があったりして、分析可能な「系」を作っている。ビジネスの社会ではこれを「生態系」と呼んで様々な角度から分析が進められている。
プラットフォームもこうした「系」に関わる観点の一つだ。
ウェブ社会の特徴は双方交流にある。Facebook上には売る側、買う側も含めて多数の企業、個人が往来している。この「往来」が人々に利益を生み出している。往来のポイントなるのがプラットフォームだ。
ある企業は「往来」を狙って事業を展開する。さらには他人のプラットフォームを利用しつつ、自ら新たにプラットフォームを作り上げようとすることがある。親プラットフォームの上に乗る、子プラットフォームのようなビジネスも存在する。
このプラットフォームビジネスの特徴は次の通りだ(Harvard Business Review 201610)。
1. プラットフォームビジネスでの最大の資源は「コミュニティと、そのメンバーが所有、拠出する部屋、車両、アイディア、情報などである。言葉を換えるなら、作り手と買い手のネットワークスが主要な資産なのである」
2. (プラットフォーム)の「外部のつくり手と買い手のインタラクションを促すことによって、価値が創造される」。プラットフォームビジネスでは参加者への説得に力点が置かれ、エコシステムの統治能力が必須となる。
3. フィードバックに基づく循環・反復型のプロセスを通して、拡大するエコシステムの全体価値の最大化が追求される。
プラットフォームは人が集まってこそプラットフォームだ。行く価値を見いだされないようであれば、プラットフォームさびれてしまい、価値を失う。そのため、プラットフォームではいかに多くの人が集まるかが重要な課題だ。
さらに、いくら人が集まってもその場所があれたり、不良品が多く出ていたのでは人々はよりつかなくなる。そのため、プラットフォームビジネスではネットワークの質の管理に神経をとがらせることになる。
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