№1854 環境保護とビジネス
1987年、国際社会に "持続可能な開発/sustainable development" という言葉が登場した。この言葉は1992年、国連地球環境サミット、リオ宣言の中でも「アジェンダ21」に宣言され、環境保護の世界共通の課題として使われるようになっている。
この持続的な開発とは経済か環境かという対立ではなく、環境保護してこそ経済は維持発展するという考え方に立っている。地球の環境資源は有限であり、私たちは適切に管理しなければ未来世代に資源を残すことはできない。食糧、空気、水、文化環境、自然環境全ては有限で私たちは適切に管理していかなければならない。
環境を管理してこそ環境は守られる、それほど人類の影響力は強大になり、今や人類は自らの英知をもって自らをコントロールしなければ明日は無いところまで追い詰められている。逆に言えば、自然と共存しするかつての社会作法を取り戻すことで人はさらに豊かになっていくと考えるのである。
このように、環境問題はいまは人の社会に対する「管理」という考えがキーワードに展開している。「管理」とはビジネスの世界はマネジメントと呼ばれる領域となる。マネジメントは単なる管理ではなく、戦略をもった未来志向を含む概念であることは経営者であるならば誰でも分かるだろう。
地球のあらゆる資源が有限であることはすでに認識されている。環境にかかわるあらゆる資源が持続的に管理されなければならない。さらに、その管理が私たちにとっても未来世代にとっても「発展」するものでなければならない。
環境は地球規模のテーマからローカルなコミュニティにかかわるテーマまで様々ある。多様な切り口を適切に見つけ出すことがビジネスと環境をつなげる重要なテーマとなるだろう。
繰り返しになるが資源が有限である以上、限られた枠の中で私たちは発展を遂げなければならない。その枠組みの発見と枠組みの中での工夫は社会の求めるところである。社会に支持されるところではかならずビジネスは生まれる。
もちろん、簡単では無いことは明らかだ。しかし、簡単でないという大きな壁の中にイノベーションの種は潜んでいる。たとえばエネルギーロスが大きなエネルギー問題であることは誰もがすぐ気付くだろう。しかし、ロスはどのようにコントロールされ、マネジメントされるのだろうか。技術的なイノベーションが必要かもしれない。エネルギーロスを生み出す単位の見直しが必要かもしれない。特定の地域のマネジメントが課題になるかもしれない。こうしたマネジメントにかかわる革命こそがイノベーションであり、新しい利益を生み出す鍵となるだろう。
つまり、「マネジメント」という言葉が環境問題をビジネスにかえる重要なキーワードなのだ。何をマネジメントするのか、どうマネジメントするのか、どんな成果をめざしていくのか、こうした戦略的な展開を発見することで環境はビジネスになり得る。
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