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№2478 農業委員会

 日本では農地の在り方について農業委員会が絶大な影響力を持っている。例えば農地、権利の移転など処分に際して農業委員会の許可がいる。農地転用許可申請は農業委員会に行い、農業委員会が許可の可否について意見を述べることができる。農業委員会がが否とすると通常許可が出ることは難しい。この農業委員会の法的根拠はどのようになっているだろうか。

 

 農業委員会は「農業委員会等に関する法律」を根拠に各市町村に設置されることになっている。農業委員は「農業に関する識見を有し」なければならず、農業委員会が所轄する事務を適切に行える者から「市町村長が、議会の同意を得て、任命する」となっている(8条)。かつては公選制だったが、人間関係が農業政策をゆがめる可能性があったことや、担い手不足、さらに外部の専門家が入ることが難しいなどの理由があって、任命制となった。

 

 農地に関する政策は、国が農業基本計画を策定し、それに基づき農業振興政策を策定する。農業振興政策は農地レベルでは農業振興地域の整備に関する法律(農振法)に基づき市町村が農業振興地域整備計画を策定する。ここでは農振地域や農用地区域を定めるほか、農業基盤整備などの近代化施策が決められる。もとより農業委員会はこれらの計画などを策定する権限はないが、計画策定にあたっては農業委員会の意見を聞くことになっており、その意見の影響力はかなり大きい。

 

 農業委員会は農業委員会に関する法律が定め、任務も決められている。さらに、農地法や農振法など農業に関する法律により権限が与えられているため、農地の権利移転、農地の転用、農地の利用、農地の集積など農地に関する行政施策について農業委員会は広範囲に影響力を持っている。

 

 それだけに、政治的に歪みやすいところも指摘されているところである。任命制になったとは言え、農業委員は固定的であり、地域の有力者の影響のもと不適切な農地転用などが行われていると思われる例も少なくない。