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№2257 PM理論,リーダーの条件

№2257 PM理論,リーダーの条件

問題解決と集団維持がリーダーの条件
 日本の心理学者三隅二不二さんが,リーダーの条件としてPM理論を提唱した。P行動=preference,M行動=maintenanceとなる。前者は目標達成や課題解決に関わる行動,後者は集団維持に関する行動だ。リーダーにはこれらが必要だというのだ。

問題解決と集団維持をリーダー一人が行うわけではない
 確かに,問題に直面したときに課題解決の問題提起ができればみんなそれに従うだろう。いつもみんなのことを考えて動いていれば,みんな感謝するだろう。勘違いしてはいけないのは,このP行動,M行動をリーダー一人が行う訳ではないという点だ。

 例えば,課題解決とは言っても,リーダーがいつも回答を出す必要は無い。みんなを気遣うと言っても,みんなが互いにみんなのことを気遣うような文化を創り出すのがリーダーだ。「徳」と言われている力はPにしろ,Mにしろ集団全部がそれにかかわる行動をつくる環境を作る点にある。

リーダー研究は1950代に始まった
 こうしたリーダーシップに関する研究は1950年代ころから科学的に研究されるようになったらしい。ミシガン大学では上意下達組織は短期の利益をあげても長期化しない,参加型は長期的に業績がよいことを証明したそうだ。

万能のリーダーなどいない
 しかし,リーダーシップは単純ではない。時期によって織田信長のような昇り龍のような強いリーダーが必要な時代もあれば,徳川家康のようにじっとまって組織を組み立てるリーダーが必要な時代もある。

 1967年フィードラーは「新しい管理者像の研究」でリーダーのあり方について研究し,ある時期には目標達成重視型リーダーが必要という場合もあれば,人間関係重視型のリーダーが必要な場合もあるとして,要するにあらゆる場面で優れたリーダーはいないという結論を導いた。

リーダーは組織の成長段階,組織の環境によって変化する
 こんな風に言われると身も蓋もない。しかし,組織の成長段階や組織を取り巻く環境によって求められるリーダー像は明らかに違う。大きな組織であれば,そのつどふさわしい人物が登場するのだろう。

中小企業は社長がそのつど変化していきます
 中小企業ではどうかというと,そのつどふさわしい人物に社長が変化しなければならない。あるときは強力なリーダーシップを発揮し,会社が安定期に入ればこんどは調整型,助言型のリーダーシップを発揮しなければならない。中小企業者に求められるのは変化を感じ取る力と,変化に対して自分を変化させることのできる力ではないだろうか。
 
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