名古屋・豊橋発,弁護士籠橋の中小企業法務

名古屋,豊橋,東海三県中小企業法務を行っています。

№2199 ミーティングの活性化

№2199 ミーティングの活性化

ミーティングで最も安心に対処できる方法はミーティングに参加しないことだ
 「安全を感じるためには,一部の人々がミーティングの進行を独占し,ほかの人々はひっこめばよい」(「ティール組織」(英治出版)272頁)。「ミーティングは往々にして,本音を隠さざるを得ない競技場へと転換してしまう。」

 これは日本人の会議でもっとも問題にされることだ。会議の場でリーダーだけが問題提起して,誰も発言しないままリーダーが結論を作る,こういう会議を改善したいと思う社長も多いことだろう。

 このような逃避行動に対してはいくつかの原因がある。

集団に参加したいという意欲を引き出す
 誰もが集団に参加したい,集団の中で役割を持ちたいと考えているだろう。しかし,この参加意欲がある一方で,一人でやらされる,孤立して責任を持たされる,労力を自分だけが負担するといった孤立感が参加意欲に打ち勝ち,いつしか孤立を回避する行動が当たり前になってしまう。生産的で活発なミーティングを実現するためにはこの孤立感をなくす行動が必要となる。

信頼できる仲間づくり
 集団と個人との関係では相手が裏切らないという相手に対する信頼が必要だ。たとえば裁判官。裁判官は社会的関係について敏感に反応し,形ばかりの付き合いをすることが多い。しかし,裁判官仲間にあっては事情が違う。彼らはうちとけ,「本音を言い合う」関係を作り,私たち外部の者にはみせない顔を見せる。

 信頼できる仲間となるためには,組織に帰属している意識が必要だ。組織は相互の信頼を勝ち取るために相互に対する敬意と理解が必要となる。ある会社では「自分が感謝したい人,お祝いを言いたい人」を披露してからミーティングに入るという慣行を作っている。別の会社では,自分の物語を語るミーティングを設けている。自分の尊敬する人,自分が影響を受けた体験,自分の子供のころといった自分だけの物語を相互に知ることで尊敬と信頼が深まっていく。

正しいガバナンス
 個人のどんな問題意識でも逃げずに解決してくれるという組織に対する信頼も大切だろう。こうした組織慣行は問題意識を感じたら,同僚同士の非公式な対話を奨励することや,問題意識を発信する機会が保障されなければならない。上司が耳を傾ける,社長が助言者として聞き出す,ミーティングではどのような一人の発言に対しても敬意をもって聞き届ける,こうした組織全体の倫理観が必要となる。これは組織のガバナンス要綱が明確であることやその地道な実行が重要だ。

組織の理念に対する信頼
 ミーティングは結局のところ,組織に必要な行動のために行われる。組織の発展が社員の幸福につながるという理念が必要となる。組織はなんのために社会に存在するのか。なぜ,顧客を増やさなければならないのか。利益は何のためにあげるのか。私はこれは社会進歩への貢献といった問題で,理念の正義や正統にわる問題であるように思う。

個人に第一歩を踏み出してもらう
 組織全体がミーティングを創造的にするために様々な方策を整える一方,組織は個人に対し,安心して一歩を踏み出してよいと一歩を踏み出すための援助が必要だろう。雛が巣立つときに親鳥が鳴いて呼びかけ,勇気を与えるようなものだ。組織の場合はそれを仲間が行う。

名古屋E&J法律事務所へのお問い合わせはこちら
                               → http://www.green-justice.com/business/index.htm

イメージ 1