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№2198 仕事は呪いであり祝福である

№2198 仕事は呪いであり祝福である

 ドラッカーは「仕事は呪いであり祝福である」という。職場において私たちはどんな時が幸せなのだろうか。

組織人間はいつも仮面をつけている
 「ティール組織」(フレデリック・ラルー著)では,「組織とは常に」「人々が『仮面』をつける場所だった。」(238頁)。「事前に定められた,組織に受け入れるような一定の様式に従って装いを決め,ふるまうことを期待される。」「組織では自分自身の一部を閉め出さなければならない」。「なぜ,仕事に行くときには自分らしさの大部分を家に置いていくのだろう?」と問いかける。

仮面を捨てて職場を信頼しよう
 ティール組織というのは社員の自主性を重んじ,助言よってリーダーシップが発揮されるタイプの組織で,社員の自主的で意欲ある行動は生産性を高めるという。このティール組織では社員は自分を隠す行為を取り除き,全体性を取り戻す作業を行っている。職場では安心して信頼できる仲間として受け入れられる。

地域医療サービス会社RHD
 RHDは全米で地域医療サービスを提供する会社だが,次のようなルールを設けている(246頁)
 ① 人間は皆,平等に近い存在である。
 ② 人は明確にそうでないと証明されない限り,善良だ。
 ③ 組織の問題にうまく対処する単一の方法はない。

健康な職場という発想
 RHDでは信頼できる仲間,職場を健康な職場であるとして,社内の行動ルールをいくつか設けている。恥ずべきスピーチと行動とは,他人を傷つけ,人として価値が低いと暗示する言動や振る舞いであるとしている。「陰口」「見捨てるという恐怖を与える」「ほかの人々の現実を無視する」「脅迫や怒りの爆発」といった敵対的行動も好ましくない態度と定義されている。

相互信頼獲得のプロセスは科学的で系統立っている
 この「信頼」は価値観を共有することで生まれるが,価値観共有のプロセスは科学的,系統的にに実践される。

 ある企業では「あなたの人生で影響を受けた年上の人について話してください」と言ったテーマで話し合うというようなこともしている。これは人生での物語を共有することで,相互の信頼関係が深まっていくというのだ(266頁)。信頼関係が深まれば職場で「薄っぺらな人間関係にだまされているのではないか?」と感じる必要は無い。人々は職場で解放感を取り戻し,人間性を回復できるという。

信頼関係は節度あるところで生まれる
 職場の仲間と価値観を共有するという問題と社員の内面,プライバシーに過剰に入り込むこととは区別して考えられなければならない。私の考えでは職場というのは仕事を通じて人間関係ができあがる。好きか嫌いか関係なく人間関係はできあがる。それと,信頼できる仲間であるという意識とは次元が異なる。

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