民法には似たような契約として委任契約、請負契約、雇用契約と似たような契約が存在している。雇用契約は労務に対して対価を支払う契約で、各種労働法が適用されるため他の契約とははっきり異なることなる。
労働契約に対する諸規制を脱法するために請負や委任が使われる。解雇が容易でないこと、社会保険料を支払いたくないなどいろいろな規制を免れる例だ。実際請負や委任した方が適切な場合もあるが、脱法を目的としていれば、当事務所の場合は止めるよう勧める。
教科書的にはこういう違いがある
委任契約:事務を委託。手足となって動いてくれる事に対して対価を支払う。弁護士などは一つの典型だ。
請負契約:仕事の完成を目的(成果に対する対価)
大工さん場合が典型で、建物を完成させて対価をもらう契約
最近では委任契約が多い。コンサルタント契約、仲介契約、プログラム開発契約と多様に存在する。委任契約とはいっても成果主義のようなところがあって、限りなく請負に近いものもある。例えば、システム開発契約などがそうだ。弁護士も成功報酬制度というのがあって、勝ったら報酬がもらえるという何だか請け負いみたいな部分もある。
このように委任契約はというのは多様なので契約でできるだけ厳密に定めておく必要がある。注意点は次の通りだ。委任契約の成立 → 履行 → 終了 → 終了後の処理と段階を分けて考える。
① どのような事務に対して報酬を支払うのか
② 成果を期待する契約か
③ 成果が出ない場合の処理
④ 中途解約をどのように考えたらよいか
⑤ 委任者側の協力義務はあるのか