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№2435 契約書作成,検討の基本

 顧問契約の重要な業務に契約書などの法律文書のリーガルチェックがある。顧問先よりリーガルチェックの依頼が来た場合,当事務所では急ぎか,そうでないかを必ず確認するようにしている。その上で,顧問先にチェックの完了する予定日を伝え,必ず期限を守るよう心がけている。リーガルチェックのジャストインタイムの非常に重要だ。

契約書を作成したり,検討したりする場合2つの視点を持つことになる。
 ① 契約の対価関係
 ② 契約締結から履行,履行後までのプロセス

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対価関係
 どんな取引でも,何かしらの商品(サービス)と代金との釣り合いというものがある。この商品に見合った価格がついて,商売が成立する。対価的なバランスが崩れると紛争となる。100万円の商品を買ったのに,欠陥があって20万円の価値しかなかったらトラブルが発生する。つまりは,対価のバランスが崩れていたからだ。

 

何について金を支払うか!

 そこで,契約を考える場合,何と何とが対価関係に立っているかをよく注意して考える。物を売るというのであれば簡単だが,物+メンテナンスが対価ということになると,アフターケアーがきちんと特定しておかないと何と何が対価関係に立つか分からなくなる。このように,一般の商売では「何について金を支払うか」をまず考える必要がある。

 

履行のプロセス
 契約の成立→引渡→検査→履行の完了→履行後の利用→最終ユーザへの売却,と契約履行のプロセスが存在する。通常はこの履行のプロセスにそって,契約書を作成していく。

 

契約プロセスの一つ一つにリスクが存在する

 プロセスの一つ一つに法律上のリスクが存在するかを検討するのである。たとえば,「検査完了」というのは簡単だが,検査方法が厳格だと返品が生じやすい。逆にルーズだと後で契約不適合というトラブルに巻き込まれる。では,この場合「検査をどうするのか」というようなことを契約チェック時に考えることになる。

 

有償双務契約
 この契約の対価関係と履行のプロセスは,私たち法律家の間では有償契約,双務契約という言葉で表現する。有償契約とは対価のある契約のことをいう。法律はこの「有償」に着目して様々な条文を用意している。
 双務契約というのは,お互いに何らかの義務を持つ契約である。一方が何かしてくれたら,他方が何かするというように契約履行の段取りを決めることになる。

 

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