名古屋・豊橋発,弁護士籠橋の中小企業法務

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№727 震災不況 2

№727 震災不況 2
 東日本大震災の経済的影響は全国に及んでいる。生産が止まったり、材料を確保できなくなったり中小業者は必死だ。しかも、情勢は日々変化しているためすぐに何をしたらよいか分からず、静観せざる得ないのではないだろうか。

 ある自動車部品メーカーの会長は今回はリーマンショックの時よりもひどいのだという。生産が止まってしまっているが従業員を休ませるわけにはいかないのだというのである。

 つまり、仕事はほとんど無くなっている。しかし、突然に発注がくるのだそうだ。会社としてはどんな時でも受注するという方針であるため、社員を待機させているらしい。ラインはとまり、従業員は待機させ給料と残業代を払うのである。休業させられないので雇用調整金は使えない。

  今回の震災の中小業者に対する影響は次のように分類できると思う。

① 被災地の生産が停止することによって経営上の打撃を受ける。
 自動車はたくさんの部品でできあがっている。その一つでも必要なのだが、震災で製造できなくなり、それが欠けるために自動車の生産ができない。ラインは止まり、下請けにも仕事が来なくなる。
   
② 被災による経済の混乱によって打撃を受ける。
  旅行や観光産業は壊滅的な打撃を受けている。港は混乱して輸入品が処理しきれない。運転手を確保できない。

③ 政府の復旧の伴う政策によって打撃を受ける。
  これは、想像外のことだった。建築資材など政府が出荷を止めているというのだ。あるいは、政府が何万台も受注したために中小業者に資材がまわらないという事態があるそうだ。

  中小企業政策は目下の焦眉の課題だ。中小企業をまづ第一に考えることで、経済が回復し、雇用が生まれ、大企業もよくなる。現場の具体的な声を聞きながら政治が行われなければならない。私としてもあらゆる手を尽くして、困っている企業のために活動したいと思う。