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№758 もし、震災をテーマに中小企業向けシンポを開くとしたら。

№758 もし、震災をテーマに中小企業向けシンポを開くとしたら。
 もし、震災をテーマに中小企業向けシンポを開くとしたら、どんなテーマにしたらいいだろうか。

 愛知県の企業にとって、震災の悲惨さを知るべきであるということがあっても、それを知ることは単なるニュースと変わらない。そのために時間を割いてシンポに参加する気持ちにはならないだろう。

 しかし、気仙沼の企業が震災の中で立ち上がる意欲を持ち続けていたとしたら、それは私たちにとって大いに勉強になるかもしれない。気仙沼酒造り、「男山本店」は震災の中にあって集荷準備を始めている。気仙沼には市内印刷5社が集まって、「気仙沼復興印刷隊」を結成し、復興のためのフリーペーパーを作り始めた。岩手県中小企業家同友会では「岩手の企業を1社もつぶさない、つぶさせない緊急例会」を開いている。

 「岩手に学べ、気仙沼に学べ」とうのはよい例会になるかもしれない。不況下、私たちはいつも自社の革新を図りたいと思っている。しかし、それは本気だろうか。気仙沼のような壊滅的な打撃を受けた地域の中にあっても、なおも大きな壁を乗り越えようとしている。その途方もない挑戦をみて、私たちの革新への決意は甘いと感じるべきではないだろうか。

 中小企業の革新は前向きな人生の生き方そのものだ。したたかに復興を遂げようとしている気仙沼の企業に私たちは学ぶものは多い。

 さらに、「復興支援」をテーマにするのもいいかもしれない。企業の復興支援は、単なるボランティアとは異なる。経済の発展を目指した発展でなければならない。企業らしい、支援スタイルがあるかも知れない。購入した代金の一部が復興支援のために使われるという手法はその一つだ。

 外にもアマゾンは避難所の必要な支援物資のデータを集め、ウェブ参加者に必要な物資を注文して寄付するサイトを始めた。顧客はアマゾンから支援物資を購入して、避難所に送るというしくみだ。

 また、復興支援を機会に、企業としての社会的責任(CSR)を考えるということもある。多くの企業が復興支援のためにボランティアを進めている。それは、企業にとって何をもたらすのだろうか。長い目で見て、企業風土をよくしていく、互いに気遣い、やさしい風土を作り上げるかも知れない。

 それだけではない。復興支援は、めまぐるしく変化する復興のあり方を読み取ることになる。それは、時代の流れを読む鋭敏な社風を作り上げるかもしれない。

 あるいは、復興に向けて巨額のお金が動くことは間違いない。地元の復興、発展に寄与することで、そうした復興事業に参入が可能かも知れない。結果として参入可能となるということが理想かも知れないが、商機ではある。