名古屋・豊橋発,弁護士籠橋の中小企業法務

名古屋,豊橋,東海三県中小企業法務を行っています。

エッセイ(文学、その他人文)

№785 「信義」ということ

№785 「信義」ということ 昔、高倉健や藤純子がはやった時代があった。 私の一つ上の段階の世代には、任侠の一途な世界に憧れをもった人も多いだろう。もちろん、ヤクザなど社会の害悪以外の何ものでもない。暴力団は世の中から無くなるべき存在だと信じてい…

№775 ああ筋肉、おまえは美しい

№775 ああ筋肉、おまえは美しい 私は「筋肉」が好きだ。均整の取れた肉体に限りない美しさを感じる。 こんなことを書くと、「おまえにはバラの花がよく似合う。」などと言われそうだ。でも、肉体とバラ、男色と結びつくのは何ででしょうね。三島由紀夫の写真…

№760 草枕

№760 草枕 私は中学校ぐらいから夏目漱石を読み始めて、今でも時々読んでいる。 毎年、春になると決まって読むのが「草枕」だ。 30才代の主人公が熊本の温泉場を旅行した際の、エッセイような形式で展開する。「智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。…

№730 春と言えば,タンポポとスミレ

№730 春と言えば,タンポポとスミレ 我が家の庭ではスイセンがそろそろ終わり,赤いチューリップが旬を迎えている。もうすぐエゴノキが咲くだろう。名前を忘れてしまったが,黄色の小さなバラの花が,もうすぐたくさん咲く。 京都に住んでいた頃,北白川から…

№725 公共財

№725 公共財 経済学の研究者からお話しをうかがった。この日の私たちの主要なテーマは「公共財」の考え方だ。かなり難しくて理解できなかったが、多くのヒントを得ることができた。。 経済の中に倫理とか「公共」を持ち込むことは容易なことではない。人類や…

№700 我が友、ムカデくん

№700 我が友、ムカデくん ムカデは私の友達だった。 大学時代私の下宿は京都北白川にあって、瓜生山さらには比叡山に連なる山の中にあった。一戸建てのご機嫌な山荘のような建物で、裏は、名前は忘れたが大昔の天皇の息子さんの墓で宮内庁が管理していた。ま…

№695 美人

№695 美人 史記を読んでいるとよく「美人」という言葉が出てくる。後宮などに仕える女性たちで大王の覚えめでたき女性たちは美人と呼ばれていたらしい。紀元前の世界にすでに私たちが使う「美人」というのがあったというは驚きだ。 ともかく、美人はいい。私…

№690 きもかわ? ハダカデバネズミ

№690 きもかわ? ハダカデバネズミ 一生を地中で暮らすアフリカのネズミだ。私は自分に子供ができるまでこんなネズミが世の中にいることを知らなかった。長男ひーちゃんが幼児だった頃、動物絵本に紹介してあった。絵本というのは本当に専門性が高い。自動車…

№640 酒池肉林

№640 酒池肉林 最近、少しずつ「史記」を読んでいる。寝る前に読んでいるのでちょっと読むとすぐ寝てしまう。おかげで中々進まない。 国の栄枯盛衰のもとは王のおごりから始まる。司馬遷の思想は明確だ。王というのは国のマネジメントする者で,社長にも通じ…

№610 豚の裁判

№610 豚の裁判 歴史上、訳の分からないことが時々起こる。日本でも「お犬様」というのがありましたね。 【豚の裁判】 中世ヨーロッパでは豚が自由を謳歌していた。彼らは放し飼いにされ、都市を走り回り、知事公邸前で集会を開いていた。乱暴な彼らは、しば…

№570 史記列伝

№570 史記列伝 長い時間をかけて史記列伝を読み終えた。司馬遷は紀元前145年に生まれたとされている歴史家で、有名な「史記」を完成させている。中国の様々な歴史書の中でも屈指の名作であり、古今様々な評釈がされている書物だ。 史記は本紀、書、表、世家…

№560 チェロ

№560 チェロ チェロは人間の声に一番近い楽器なのだそうだ。私の大好きな宮沢賢治の童話の中にもチェロはよく出てくる。賢治自身チェロをよく弾いていたそうだ。 チェロ=セロ セロ弾きのゴーシュは誰でも知っている童話だ。猫、カッコウ、タヌキ、野ねずみ…

№540 宮沢賢治

№540 宮沢賢治 宮沢賢治は私の最も尊敬する作家の一人だ。 賢治の童話はどれもおもしろいが、「虔十公園林」は私の人生観に大きな影響を与えた。 虔十という「少し足りないと」と思われていた人が、小さな杉の木をたくさん植えた話だ。林は子供たちの遊び場…

№500 仏教のリアリズム

№500 仏教のリアリズム ブログナンバーもついに500回になった。 500回記念という訳ではないが、宗教の話だ。 私は神様などいないと思っているが、仏教には大変惹かれる。出家もいいな、西行はうらやましいなと思うこともあるが、凡夫は俗な気持ちがとれない…

№430 こはいかに

№430 こはいかに 中学校のころ、初恋の女の子から年賀状をもらった。うれしくてうれしくて何度もみた。 彼女の年賀状にはカールブッセの「山のあなた」という詩が描かれていた。美しくデザインされた背景に、本当にきれいな文字で、山のあなた」が書かれてい…

№425 あこがれの1920年代

№425 あこがれの1920年代 1920年代、人々は子供のような活気に満ちていた。パリやベルリン、ニューヨークと「都市」は新しいものを求めていた。女性はコルセットを外し、ギャルソンヌルックと言われるウェストのない衣装を着るようになり、テニス、スキー、…

№410 京都の町家(まちや)

№410 京都の町家(まちや) 私は長く京都で弁護士をして、名古屋にやってきた。 京都の中心部は中京(なかぎょう)と呼ばれ、町家群がある。京都では町家を「まちや」とよび独特の響きがある。幕末、外国人使節が初めて京の都に上ったとき、町家群の家並みの…

№397 キンタマお題は私だけじゃないぞ

№397 キンタマお題は私だけじゃないぞ (中小企業法務ではありません。) 事務所は正月休みに入って,仕事はお休み。このブログでも,研究ノートのテーマはお休み。 私のブログは事務員も見ていて,忘年会で話題になった。「先生のテーマ,キンタマ多いです…

№395 シャーロック・ホームズのダンディズム

№395 シャーロック・ホームズのダンディズム (中小企業法務ではありません。) シャーロック・ホームズの冒険は誰でも一度は読んだことがあるのではないだろうか。今でも、ベーカー街221Bに手紙を出すとホームズから返事が来るそうだ。小学生だった私は、シャ…

№390 花の下で死にたい

№390 花の下で死にたい 勝海座談を読んでいると、勝海舟がなんだかお師匠さんのように思えてくる。勝海舟が大物だと評価すれば大物と思えてくるし、小物だと評価すれば小物に見えてくる。そんななか、勝海舟が最大の賛辞を惜しまないのが西郷隆盛だ。人物の…

№231 オルレアンの少女

№231 オルレアンの少女 ジャンヌ・ダルクは英仏100年戦争末期に現れた英雄だ。 フランスの主権をめぐる英仏100年戦争末期(1429年),神の啓示を受けて現れた19才の少女はユリの旗をかかげ,戦いの先頭に立った。男達は奮い立ち,彼女の参加した戦いは全戦全…

№230 ジャンヌ・ダルク

№230 ジャンヌ・ダルク ジャンヌ・ダルクは私にとって重要なテーマだ。 中学2年生の時,ある女子大の英文科に通っているお姉さんの話を聞くことがあった。彼女がジャンヌ・ダルクの勉強をしていると言っていた。私達の仲間は彼女のことを「ノン」と呼び,み…

№210 あめんぼの歌

№210 あめんぼの歌 何もうかばないので,「あいうえおの歌」を紹介します。北原白秋作なのだそうですが,よく学生たちが大学のグランドや河原などでの発声練習に使っていますね。演劇というのは演者の強い意志を感じてとてもよいです。見てると,なんか私も…

№190 食べ物の神様

№190 食べ物の神様 日本書紀や古事記は思ったよりおもしろい。 日本書紀には「保食神」(うけもちのかみ),古事記では「大気都比売神」(おおげつひめのかみ)として食べ物の神様が登場する。両神とも女神だ。 保食神(うけもちのかみ)についての日本書紀…

№170 どどいつどいどい

№170 どどいつどいどい 都々逸は江戸末期,名古屋熱田で生まれた。熱田は桑名までの「七里の渡し」の宿場町として大いににぎわったらしい。何でも「お亀」という遊女が大いに人気だったということで,私も一度,この遊女と遊んでみたい気がする。 熱田節の節…

№155 アリス

№155 アリス 「不思議の国のアリス」,「鏡の国のアリス」はルイス・キャロルの傑作だ。キャロルのナンセンスな物語はどこまでも責任がない。それは子供の自由で,世の中で最も幸福な自由だ。 そんな,アリスの物語の中で,私が特に大好きなストーリーが2つ…

№125 娘に聞かせてやりたい「虫女の秘密」

中小企業法務ではありません。 №125 娘に聞かせてやりたい「虫女の秘密」 うちの娘はゴキブリが嫌いだ。それで農学部に行きたいなどというのだらちゃんちゃらおかしい。ゴキブリの顔はよく見るとカワイイぞ。チョウチョなど近くで見るとそれはそれは恐ろしい…

№120 性のお話(18才未満禁止)

中小企業法務ではありません。 №120 性のお話(18才未満禁止) 弁護士の家業では,時には普段恥ずかしくて言えない言葉も使わなければならない。例えば不倫,浮気のたぐいの事件だ。「あなたはそのときに,その女性と性交したんですね」とか,「通常は女性と…