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№230 ジャンヌ・ダルク

№230 ジャンヌ・ダルク
 ジャンヌ・ダルクは私にとって重要なテーマだ。

 中学2年生の時,ある女子大の英文科に通っているお姉さんの話を聞くことがあった。彼女がジャンヌ・ダルクの勉強をしていると言っていた。私達の仲間は彼女のことを「ノン」と呼び,みんな彼女のことが大好きだった。

 ノンはジャンヌ・ダルクを取り上げた戯曲に取り組んでいた。確か,バーナード・ショウだったんではないかと思うが,アナトール・フランスかもしれない。彼女はジャンヌ・ダルクの獄中自殺未遂の問題を取り上げていた。

 私達はノンを囲んで彼女からジャンヌ・ダルクの話を聞いた。その時,彼女は戯曲の一節を解説し,簡単にジャンヌを演じたのだ。「神よ」で始まるせりふ,手を合わせてひざまずき天を仰ぐ演技は思春期の私には強い印象を与えた。私は今でも鮮明に思い出す。

 文学と言えば,学校の教科書しか知らない私にとって,ノンの話は別の世界だった。生きた何かがあるような気がしたのだ。「ジャンヌが人間であることに興味があるの。」,とノンは締めくくった。以来,ジャンヌ・ダルクは私の人生にとって重要なテーマになった。