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№120 性のお話(18才未満禁止)

中小企業法務ではありません。 №120 性のお話(18才未満禁止)

 弁護士の家業では,時には普段恥ずかしくて言えない言葉も使わなければならない。例えば不倫,浮気のたぐいの事件だ。「あなたはそのときに,その女性と性交したんですね」とか,「通常は女性とホテルに入ればセックスしたと思うでしょう」とか,日常会話では恥ずかしくて言えない言葉も法廷では使わなければならないことがある。刑事事件になるともっと露骨だ「陰部をさわった」とか,「姦淫した」とか普通ではとても使えない言葉を使う。

 昔はこんなではなかった。性は必ずしも強いタブーではなかったのだ。
 古事記ではイザナギイザナミに「性交」を申し込む。
「吾が身は成り成りて,成り合わざる処(ところ)一処(ひとところ)あり」
「我が身は成り成りて,成り余れる処一処あり。かれ,この吾が身の成り余れる処をもちて,汝が身の成り合わざる処にさし塞ぎて,国土を生み成さむと思う。」
なんと,自然な言葉ではないか。「成り余る」ところを「成り合わざる」ところに「さし塞ぎ」とはかなり露骨だが,同じ露骨とは言っても刑事事件とは大変な違いだ。こんな言葉を法廷で使えば,大笑いだろう。

 古事記を読むと,やたらと女性のホト(陰)が出てくるのに気づく。イザナミは火の神様を産んだのであるが,ホトを焼かれて死んでしまった。高天原スサノオノミコトが暴れ回るのであるが,この時,アマテラスオオミカミの侍女はホトに杼(ひ)が刺さって死んでしまった。アメノウズメが天の岩屋戸でホトを露出して踊ったというのは有名だ。食物の女神,オオゲツヒメノカミはスサノオノミコトに殺されてしまうのだが,そのホトからは麦が出てくる。

 時代が変わるが,私の大好きな葛飾北斎は巨大なタコが美女を犯していく絵を描いている。それはそれは露骨な絵で,タコが「チュバチュバ」と裸体の美女に吸い付いていく。でも,あの天才北斎が,こんな絵をと思ってはいけない。フランスでは大変高い評価を受けていたらしいぞ。浮世絵の屈託のない性の表現は西洋人には衝撃的だったのだそうだ。かのアマデウスだって,姉のナンネルに「おしっこ」「うんこ」と,お下劣な内容の手紙をたくさん送っていた。ベルサイユ宮殿ではトイレがなかったから,廊下や部屋の片隅で用を足して,それはそれは臭かったという。
 だから,どうだという訳ではないけどね。