名古屋・豊橋発,弁護士籠橋の中小企業法務

名古屋,豊橋,東海三県中小企業法務を行っています。

中小企業法務

№1311 産業廃棄物が埋設された土地の売買

№1311 産業廃棄物が埋設された土地の売買 売買された土地に産業廃棄物が埋設されていたために土地としての利用が妨げられた場合,売主に対して損害賠償請求が可能となる。 紹介の事例は,Y市が昭和38年から平成元年にかけてゴミ焼却場を設置していた土地を平…

№1307 仕様書との相違、「保証の対象外」

№1307 仕様書との相違、「保証の対象外」 ビジネス法務1月号は契約書の解釈をめぐるトラブルが紹介されている。その中で、部品が原因でトラブルが生じたが仕様書による保証の対象外と主張された事例を仮想の設問として解説してある。 設問は自動車搭載の電子…

№1301 顧問弁護士がいたならば・・・

№1301 顧問弁護士がいたならば・・・ ある会社の不祥事が発覚し、会社存亡の危機がおとづれた。マスコミは一斉にこの会社をたたき始め、大手の取引は一斉に手を引いた。売上はどんどん減少して、もはや社長がメディアに向かって謝るだけではすまなくなった。…

№1297 ケーススタディ「赤いペンケース」

№1297 ケーススタディ「赤いペンケース」 ビジネス法務2014年1月号には契約書解釈のトラブル事例が紹介してあった。 その中の一つ、赤いペンケース事例がある。これは問題を紹介してその解決方向を示すという趣向で、法科大学院の試験問題のような記事だ。 …

№1294 大切な納品書と発注書

№1294 大切な納品書と発注書 商品を発注して納入する。事業はこうしたことの繰り返した。個々の納入についていちいち契約書などつくるようなことはしない。通常は基本契約書を締結して、いざ問題が生じた時には基本契約書に従って処理されていく。納期が遅れ…

№1277 アイスクリーム転倒事故

店舗経営者のみなさんご注意を ショッピングセンターのアイスクリーム売り場で老人が転倒して大けがをした。この事故について岡山地裁は事故について店舗に安全配慮義務があるとして2669万0173円の賠償責任を認めた(岡山地裁H25.3.14.判時2196号99頁)。 店…

№1267 請負代金の差押え

№1267 請負代金の差押え 判決で勝訴しても実はその次が問題であることが多い。 もし判決で勝訴しても、相手が支払わない場合、強制執行するということになる。 勝訴判決があれば不動産があればそれを差し押さえて競売にかける。預金があればそれを差し押さえ…

№1261 店舗屋上にジェットコースターを取り付けた事例

№1261 店舗屋上にジェットコースターを取り付けた事例 ドンキホーテの屋上にジェットコースターを取り付けたところ、震度3程度の揺れが生じることが判明した。契約は解除され、裁判所は被告に8億5993万7500円の支払いを命じた(東京地裁H25.3.29,判時2194、4…

№1253 社長だまされたらあかんよ

№1253 社長だまされたらあかんよ トヨタやデンソーなど圧倒的な大企業の場合、あまりトラブルは起こらない。私の経験ではもっちょっと下レベルからいろいろと問題が起こる。 中規模企業ぐらいの企業の場合、一応全国的な展開したりして、かなりしっかりして…

№1251 クレーマーへの対応

№1251 クレーマーへの対応 執拗にくいさがる顧客に対する対応は小売業にとって非常にやっかいな問題だ。 お客との信頼関係を大切にする以上、一定程度は我慢して対応しなければならない。その一定程度が難しい。 つまり、できないことはできないと明確に言っ…

№1248 履行を拒まれた場合の責任

№1248 履行を拒まれた場合の責任 建物の売主が、修繕義務あるから修繕しようとしたところ、それを拒まれた場合、売り主にはなお修繕義務があるだろうか。修繕しないことについて損害賠償責任を負担するだろうか。この場合、売主としてはやるべきことをやって…

№1239 弁護士の交渉術 2

№1239 弁護士の交渉術 2 中小企業法務の中で取引先との交渉をどのように進めていくかという相談を受けることがある。もちろん日常的な業務は事業者の範疇だから弁護士は及ばない。しかし、取引先との関係で大きな節目になるような課題については弁護士マタ…

№1237 ファイナンスリース

№1237 ファイナンスリース 設備投資にはリース契約がしばしば利用される。 ファイナンスリースと呼ばれているもので、形式的にはリースつまり賃貸借契約でありながら、実質的には動産を担保にした融資という内容を持つ。そのため、全額リース契約でまかなう…

№1201 家賃・地代の増減

№1201 家賃・地代の増減 建物を借りたり、土地を借りたりしている場合、契約関係は長く続くので、いつまでも同じ家賃、地代という訳にはいかない。家主や地主としては賃料を増額したくなるだろう。逆に、賃料を減額したくなる時もあるのではないだろうか。 …

№1196 不動産売主の説明責任

№1196 不動産売主の説明責任 不動産売主の説明義務が果たされていないとして2億2465万9600円の請求がされた事件がある。不動産のテナントから家賃の減額請求されていた事実を隠していたと言った事情が不法行為だというのである。これだけだといかにも不当訴…

№1178 不良社長の解任

№1178 不良社長の解任 公私混同が続き会社の財産を食いつぶしていく社長がまれに発生する。こうした不良社長のために結局会社が倒産の危機に陥ることも少なくない。例えば、あととりの息子が不良社長相手に解任を求めることはできるだろうか。 多くの社長は…

№1163 法律的思考の勧め

№1163 法律的思考の勧め 私たち弁護士は論争に強いと言われる。確かに、私達は職業として論争しているので強くなっているのかもしれない。 ともかく、トラブルになった時、最後には権利、義務の関係で勝負を付けることになる。権利があれば、最後には論争に…

№1162 内容証明郵便

№1162 内容証明郵便 私達弁護士は内容証明郵便をよく使う。これは、郵便物の内容、到達した日付を後日郵便局が証明してくれるからだ。 よく誤解を受けるのは内容証明郵便には特別の法的効力があるのではないかという点だ。例えば、同じ支払の請求でも、単に…

№1138 非公開会社の株式譲渡

№1138 非公開会社の株式譲渡 中小企業の大部分は株式の譲渡制限を設けている。本来株式はいつでも売り買いできるものだが、小さな会社の場合、変な人に事業に介入されはこまる。そこで、会社法は譲渡制限という制度を設けている(会社法107条1項1号)。 中小…

№1132 不動産ファンド

№1132 不動産ファンド 弁護士をやっていると時々不動産ファンドに出くわすことがある。 不動産ファンドとは、投資家等から集めた資金で不動産を購入し、転売や家賃収入によって収益を上げ、また投資家に還元する仕組みのことを言う。不動産ファンドを仕掛け…

№1131 従業員の持株

№1131 従業員の持株 株式会社会社では従業員に自社の株式を持たせ、さらに持株会を作っているところがけっこうある。 大企業の場合、これが福利厚生の一環となっている。市場価格よりも割安に株式を割当て、それを持株会で運用してもらうことによってきちん…

№1216 強制執行

№1216 強制執行 判決などで勝訴してもそれに従うとは限らない。そんな場合には私達は強制執行を行う。相手の預金や不動産、時には給料も差し押さえる。建物を明け渡さない場合には明け渡しの強制執行を行う。 正確に言うと差押えは財産の凍結手続きだ。さら…

№1204 少数株主の強制排除

№1204 少数株主の強制排除 会社法はとても技術的な法律だ。この技術を裏技のように利用することがある。こんなことができるのかなどと思うことがよくある。その点では私達は日々研鑽がいる。 最近、顧問先が株式の処理に困っていていろいろ勉強している。つ…

№1199 会社と刑事事件

№1199 会社と刑事事件 会社法務が刑事事件と無関係かというとそうでもない。顧問先が刑事事件に巻き込まれることもある。こうした問題も中小企業法務の一つではある。 例えば、社員が横領したような事例である場合には刑事告訴などが問題になるし、やめた社…

№1198 許されざる自救行為

№1198 許されざる自救行為 世の中には中々理不尽なことが多い。 家賃を払わず居座り続ける例などは典型的だ。家賃を払わず居座る事例では、家主としては裁判など待っていられない。損害は日々発生し、建物ローンだって存在することがある。ところが、法律は…

№1194 下請けの交通事故

№1194 下請けの交通事故 従業員が業務中に事故などを起こした場合、会社は責任を負わなければならない(民法715条)。私達はこれを「使用者責任」と呼んでいる。従業員によって利益を得ているのに、責任を従業員だけに負わせ、自らは負担しないというのは不…

№1191 「事故米」事件の顛末。行政と戦う。

№1191 「事故米」事件の顛末。行政と戦う。 本日紹介の事件は化学澱粉製造販売する事業者が長岡保健所長(新潟県)の「事故米穀」回収命令を争って訴えた事例だ(新潟地裁H23.11.17、判タ1382号90頁)。 行政は常に正しいとは限らないため、時には戦う必要が…

№1186 ほっかほっか亭 vs. ほっともっと

№1186 ほっかほっか亭 vs. ほっともっと 平成24年1月30日、東京地方裁判所はほっかほっか亭経営者株式会社ほっかほっか亭総本部に対し、ほっともっと経営者株式会社ブレナスに5億0373万2742円を支払うよう命じた(判タ1382号163頁)。ほっかほっか亭がブレナ…

№1172 弁護士顧問のあり方

№1172 弁護士顧問のあり方 顧問弁護士の役割をどのようにとらえるかは多くの弁護士にとって職業上の重大な課題となっている。 顧問弁護士は普通は社長の判断を助ける「私の弁護士」として登場する。日常的に思いついたことを携帯電話などで気軽に電話して簡…

№1171 契約書の役割

№1171 契約書の役割 取引社会では契約書の存在はきわめて重要だ。しかし、中小企業の実際から見るととても重要な取引であるにもかかわらず契約書がないことある。あるいは、契約書があっても相手の出す書式そのままに契約を締結していたりして、実際に問題が…