名古屋・豊橋発,弁護士籠橋の中小企業法務

名古屋,豊橋,東海三県中小企業法務を行っています。

中小企業法務

№1606 性同一障害による差別と企業運営

№1606 性同一障害による差別と企業運営 性同一障害による性別変更した者がゴルフクラブへの入会などが拒否された事例がある。 クラブ側は「既存会員の不安感や困惑,協議会での混乱等により被告クラブが築き上げてきた伝統や会員の一体感の喪失という深刻な…

№1597 企業の健康診断

№1597 企業の健康診断 私は愛知中小企業家同友会という企業団体で経営相談室を担当している。相談室には弁護士,税理士,社労士,コンサルとかなりレベルの高い人材が結集している。この相談室では目下,「企業の健康診断」というものができないか検討中だ。…

№1572 ウェブマーケッティングの種類

№1572 ウェブマーケッティングの種類 インターネットによる商品,サービスの販売は多い。これらは表示内容によっては消費者に誤解を与えるため景表法違反が問題となる。サイトで一儲けしようなどと持ちかけられて詐欺にあってしまう場合もある。 ともかく,…

№1571 中国,白酒飲み過ぎは保険事故か?

№1571 中国,白酒飲み過ぎは保険事故か? 中国,バイチュウ攻めで死亡した場合,保険,労災は問題になります。 中国では何度も乾杯する。乾杯は文字通り飲み干す。私のような酒が弱いタイプは本当に困る。一度などは山東省東営市に行った折りには,地元で白…

№1568 検品,検査

№1568 検品,検査 物の受領,検品,検査は取引の中でもトラブルの起こりやすい場所です。特に継続的な売買契約の場合は特に検査についての定めは重要です。検品をわざと送らせて支払いを送らせようとしたりすることもかつてはありました。 そうでなくとも検…

№1562 ストリートビューとプライバシー侵害

№1562 ストリートビューとプライバシー侵害 ストリートビューはプライバシー侵害とはならないという判決が出された(福岡高裁H24.7.13、判時2234,44頁,福岡地裁H23.3.16,裁判所HP参照)。 最近は誰でも撮影した写真を公表できるので,私的事情の公表,つま…

№1554 契約者の特定,代金の特定

№1554 契約者の特定,代金の特定 中小企業の取引については契約をきちんと結んでいないことが多い。見積書,発注書だけでやりとりしている例は普通にあるが,中にはそれすらもなく取りかかることがある。特に請負契約などは代金が明確でないことも少なくない…

№1546 ツイッターで信用が害された事例

№1546 ツイッターで信用が害された事例 ソーシャルメディアの発達は著しい。しかし,匿名をいいことに信用を害されることもある。この場合,犯人を追及することは難しい。発信者の情報を獲得するのはどうしたらいいだろうか。 この場合,「特定電気通信役務…

№1543 在庫を担保にした借金

№1543 在庫を担保にした借金 在庫を担保にして借金をすることがある。 在庫というのは法律上は集合物と言って,特定の範囲の動産類をまとめて一つのものと扱うことができる場合がある。 在庫は売ったり買ったりして者の出入りはあるものの,全体としては一定…

№1525 違約金,損害賠償の予定

№1525 違約金,損害賠償の予定 業務提携契約などを締結する場合にあらかじめ賠償金を定めることがある。違約が生じた場合に○○円支払うというような条項だ。 たとえば,フランチャイズの場合に厳しい解約制限条項があって,途中解約の場合にロイヤリティー○○…

№1509 コンサルタントの倫理

№1509 コンサルタントの倫理 コンサルタントの助言は適法でなければならない。最近,企業再生アドバイザリーが違法なアドバイスを行って会社に損害を与えたということで,約4387万円の賠償責任を認めた事例ある(東京地裁H25.7.24 判タ1403号184頁)。 これ…

№1507 テナントの原状回復費用とその交渉

№1507 テナントの原状回復費用とその交渉 会社事務所を引き払う場合,原状回復費用がビル管理会社より求められる。 敷金が10ヶ月分ぐらい入れていると1000万円ぐらいになっているが,それで何とかなるだろうなどと思っていると2000万円とか言って法外な原状…

№1504 交渉議事録の重要性

№1504 交渉議事録の重要性 大きな取引をする場合,交渉上の議事録はきわめて重要だ。後々の紛争になった場合,経過をたどることになるので,当事者の一方が作った議事録であっても証拠価値がある。 中小企業の場合,重要案件については社長が一線に立って交…

№1497 断り屋,あやまり屋

№1497 断り屋,あやまり屋 弁護士というのは断り屋,あやまり屋という面がある。弁護士の場合,依頼者側がいつも正しいとは限らない。依頼者に落ち度があって,どうにもならなくなって弁護士に依頼することもある。そのような場合は弁護士は相手の要求に対し…

№1494 高齢者の土地売買と契約の有効性

№14954 高齢者の土地売買と契約の有効性 高齢者,それも80歳を超えるような高齢者の土地売買は有効なのだろうか。かなりボケが始まっても大人であることには変わりない。でも,親族としては納得いかないことも多いのではないか。 私の経験する例では,だんだ…

№1489 リーガルコスト

№1489 リーガルコスト 中小企業,それも零細企業の特徴として何でも曖昧にしておこうという傾向がある。こうした会社の意識はいつもどこかで逃げることができるようにしておきたい,事情の変更によって有利に変更できるようにしておきたいという意識が働くよ…

№1472 未完成請負の場合の報酬

№1472 未完成請負の場合の報酬 請負というのは仕事の完成に対して対価を支払う契約である(民法632条)。 この「仕事」というのがいろいろあって,運送,製造,建築といろいろある。弁護士との契約は委任契約といって,事務に対して対価を支払うという契約に…

№1421 「法務部の外注」としての法律顧問の仕事

№1421 「法務部の外注」としての法律顧問の仕事 企業の法律顧問の仕事は大企業の法務部の「外注」のようなところがある。 その分野は契約,労務,コンプライアンスなど多岐にわたる。多岐にわたるということは実は忘れられやすいという危険を絶えず含んでい…

№1419 「必ず発注がある」と騙された事例

№1419 「必ず発注がある」と騙された事例 事業提携によって新規事業を始める場合,相手に対する信頼関係を築きつつ事業を始める。たとえば数億の投資を行って設備を引き受けるような場合にはきちんと弁護士と相談しつつ事業提携契約を結んでいくことが必要だ…

№1413 企業ごとに存在する課題があるかな

№1413 企業ごとに存在する課題があるかな 顧問弁護士の役割は時に事業上の課題を指摘する場合がある。これは過去の紛争の経験から必要な教訓を伝える作業だ。企業は発展の段階や産業の性質から特有の問題をかかえることが多い。顧問弁護士の役割に,長く放置…

№1397 ハンコのあれこれ

№1397 ハンコのあれこれ ハンコというのは日本や中国など独特の風習だ。東アジアでは王の印は王位継承の証だった。欧米などはサインばかりでハンコはない。日本ではハンコを押すのが通常であるため契約書にハンコがないと成立していないとみなされることがあ…

№1393 企業法務部の役割,顧問弁護士の役割

№1393 企業法務部の役割,顧問弁護士の役割 法務部が活躍している企業は企業の中でもかなり大きな会社ではないだろうか。私の経験では上場企業であっても法務部は存在するが必ずしも十分機能しているわけでは内容に見受けられる。 法務部の役割は一般的には…

№1368 仲裁契約って聞いたことがありますか。

№1368 仲裁契約って聞いたことがありますか。 仲裁契約というのは第三者による判断に従うという契約を言う。仲裁に関する手続きは仲裁法という法律がある。国際取引では仲裁契約はしばしば登場する。特に中国では裁判所よりも仲裁機関の方が信頼が厚かったり…

№1357 初動の重要性

№1357 初動の重要性 企業紛争では初動がきわめて重要だ。 問題が起きたら直ちに弁護士に相談して証拠収集や交渉についての基本方針を作り上げることが必要だ。 企業間の紛争は相手方にも何か言い分があることが多い。しかし,相手の言い分にいちいちひるんで…

№1356 強気ばかりの交渉が大失敗する

№1356 強気ばかりの交渉が大失敗する 中小企業のおっちゃんの場合,強気の一筋で困難を乗り切るところがある。確かにこれは交渉の気合いとして非常に重要だ。リスクを恐れすぎるより,あえてリスクをとる姿勢の方が交渉力がある。 私の場合,こうした交渉に…

№1354 企業法律相談はこんな具合

№1354 企業法律相談はこんな具合 企業の法律相談はこんな具合に始まる。 「本日はどのようなご相談ですか。」 「実は・・・・」 企業の場合,個人と異なって普通は自分で解決するべく一定の努力がある。そのため,紛争が解決できなくなるまでの一定の経過が…

№1350 部品納期の遅れと損害賠償 (2)

№1350 部品納期の遅れと損害賠償 (2) №1349より続く → http://blogs.yahoo.co.jp/lawyerkago/38472115.html 製造業のようにいくつかのサプライチェーンがある場合,一カ所でつまづくと次から次へとつまづき,最後には大きな製品ができなくなってしまうことが…

№1349 部品納期の遅れと損害賠償 (1)

№1349 部品納期の遅れと損害賠償 (1) 部品の納期が遅れた場合,当然債務不履行になる。この場合の損害の範囲が問題になることが多い。愛知県は自動車関連産業が多い。そのためジャストインタイムが広く徹底しているため,納期の遅れというのは企業にとってか…

№1341 立退料5000万円,でも権利ではありません。

№1341 立退料5000万円,でも権利ではありません。 これは東京都中野区の土地(202.97㎡)について明け渡し請求された事件だ。この土地には昭和8年頃の建物が建っていた。地代にも争いがあり,地主側は4万円程度,借地人側は3万円だ。東京都中野区内でこの地…

№1314 宅建業者の説明義務

№1314 宅建業者の説明義務 中古住宅のブロック塀が境界を越えていた場合,買主は売主,宅建業者に対して損害賠償請求できるだろうか。 本件は中古住宅の敷地を画するはずのブロック塀が越境しており,しかも隣側に傾いて崩壊の危険があるものであった。この…