名古屋・豊橋発,弁護士籠橋の中小企業法務

名古屋,豊橋,東海三県中小企業法務を行っています。

中小企業法務

№1897 裁判を回避する債権回収

№1897 裁判を回避する債権回収 私たちにとって裁判は最後の手段だ。相談があった場合、いかに裁判を回避して債権を確保するかが大きな課題だ。 1. 債務名義をとる 裁判は最後は判決が出され、その後に強制執行を行う。強制執行するには「債務名義」と言って…

№1869 廃棄物が埋設された土地取引の行方

№1869 廃棄物が埋設された土地取引の行方 最近でこそ廃棄物の最終処分はやかましくなってどこに何があったかぐらいは分かるようになったが、昔はどうだったかは今だに分からない土地がある。安心だと思って買った土地から廃棄物がわんさか出てくるという話は…

№1863 請負工事が中断したときの処理

№1863 請負工事が中断したときの処理 請負工事が途中で中断してしまうことがある。 工事代金を払わないために中断するというのは別の手段となるが、たとえば、施主の準備が遅れたために工事ができない場合があるが、そいういう場合はどうなるだろうか。 請負…

№1850 憶測って危険!

№1850 憶測って危険! 弁護士をしているといろいろな事件があって人生を考えさせられる。 私たちの場合、人間関係が破綻したところから出発するので、どうしても人間の利己的な面を見てしまう。このような破綻は結局のところ、情報が少ない中で憶測で動いて…

№1837 契約書の見方

№1837 契約書の見方 契約書を検討したり、見たりするとき弁護士はどんな思考方法をするだろうか。 1. 法律関係の骨格をつかむ 一般の人から見るとかなり当たり前な作業だ。しかし、これはイロハのイで見落としはならない。 たとえば、「売買」、「賃貸」、「…

№1834 欠陥、数量不足への対応

№1834 欠陥、数量不足への対応 商取引では大量の商品が日常的に取引される。そのため、法律は商人間の取引ついてはいろいろ期限を厳しくしている。その例として買った商品に欠陥や数量不足があったりする場合がある。 もし、購入した商品に欠陥や数量不足が…

№1809 企業戦略と法務との関係

№1809 企業戦略と法務との関係 企業戦略に従って企業は組織化され、活動する。弁護士の役割は経営者が意図したどおり組織が組み立てられているか、運営されているか、活動が利益を生み出す仕組みが契約などによって確実なものとされているか、これらがリスク…

№1802 リスク=利益

№1802 リスク=利益 リスクとは不確実性であり、利益ととらえることもできる。弁護士はこの利益を言葉によって表現し、契約書という形で固定する。 リスクは「危険」と翻訳されている。オックスフォード英英辞典にはこんな風に書いてある。 " the possibilit…

№1801 下請建築業者の責任

№1801 下請建築業者の責任 下請け業者に過失があって欠陥があった場合、たとえ下請け業者で居住者との間で契約関係になくても、賠償責任を負うというのが判例だ(最高裁H19.7.6判時1984号34頁、最高裁H23.7.21判時2129号36頁)。この判例に従えば、本来下請…

№1792 保険約款で苦労すること

№1792 保険約款で苦労すること 事業に当たっては様々な保険が存在する。誰もが経験することだろうが、保険約款は詳細をきわめている上、いくつもの特約が存在する。引用も多いので結論に行き着くまでにあちこち飛ばなくてはならない。約款の文字は小さく、わ…

№1782 文書提出命令

№1782 文書提出命令 弁護士の力からすればいろいろな文書を入手できるんじゃないかと考えている人は少なくない。しかし、実際には弁護士には強制力をもった調査権限がないためどうしても限界がある。 私たちが調査できるとすれば、文書提出命令ぐらいだ。米…

№1764 追いつめられる経営者

№1764 追いつめられる経営者 経営の傾きと共に経営者は精神的にも追いつめられてくる。方向を見失い、人を疑うようにもなる。経営者は孤独なので本当に自分が支持されているかいつも心配しなければならない。 こういうときに弁護士に相談することはきわめて…

№1761 業務妨害罪ってなんだろう

№1761 業務妨害罪ってなんだろう 会社の信用を害したり、業務を妨害したりすると信用毀損罪あるいは業務妨害罪となる。この業務妨害罪は民事暴力や不正競争の領域でよく登場する。どんな場合が業務妨害罪になるか経営者としては知っておいても損はない。 刑…

№1747 顧問弁護士の使い方(戦略立案)

№1747 顧問弁護士の使い方(戦略立案) 企業にとって重要な局面にあっては弁護士などの専門家が関与させることにかなり意味がある。 典型的なのは債務超過の局面だ。企業が多額の負債を抱え、いよいよ資金ショートかというような局面では、生き残りをかけて…

№1724 少数株主から株を買い取る

№1724 少数株主から株を買い取る 少数株主対細工は,①実態のない名義株なので,真の所有者は現経営者である旨の証明書にサインしてもらう,②実態がある少数株主では買取を交渉する,③それでもだめなら排除制度を検討してみるということになります。 少数株主…

№1723 建築途中で止まってしまった事例

№1723 建築途中で止まってしまった事例 我々が時々出くわす事件がこれだ。 住宅や、ビルが建設途中でトラブルが起き、建築工事が中断してしまうということがある。これは注文した側もされた側も途中でやめてしまうので本当に処理に困る。 たとえば、ビル建設…

№1696 けっこう重宝な説明義務

№1696 けっこう重宝な説明義務 契約上説明義務は重要な役割を果たしている。 ものの価値と対価とのバランスがぐずれると紛争になる 私たちの契約の大部分は物やサービスを提供して対価を得ている。物やサービスに欠陥があれば、それを補うために修理したり、…

№1688 会社乗っ取りはこんな具合

№1688 会社乗っ取りはこんな具合 テレビドラマではハゲタカのような連中が会社乗っ取りを企てるシーンが出てくる。愚かな経営者が倒産を免れたい一心で判をつき、会社を乗っ取られてしまうようなシーンだ。こういう状況は弁護士を長くやっていてもなかなかな…

№1681 あとで困る、ずさんな株式管理

№1681 あとで困る、ずさんな株式管理 株式管理は中小企業でも無視できない。むしろ、大量に株主が存在する上場会社よりも重要だ。でも、中小企業の多くは株式管理に無頓着だ。 たとえば事業承継にあたっては株式を誰にどのように配分していくかは決定的な意…

№1673 法的紛争の天王山

企業同士の紛争が生じる場合、確かに戦争に似たところがある。経営権の所在を争ったり、大きな金額の請求がかかったりするような場合には企業家生命にかかわる大問題になる。打つ手も多岐にわたり、刻々と変化する情勢に対して、手を打っていくことになる。 …

№1664 近頃「危ない」法律問題。要注意!

№1664 近頃「危ない」法律問題。要注意! 法律はたくさんある上,いろいろめんどうな解釈が存在する。シロウトがむやみに触ることができない。そんなことは誰でも知っているのだが,時々私たちの目から見るととんでもないことが起こっている。 【その1】 ウ…

№1663 納入部品に欠陥があったら!

№1663 納入部品に欠陥があったら! ある部品メーカーが製造した部品がJIS規格を満たさなかったという事例があった。 何万という部品全てに欠陥があったということや,自動車などに使われていたためかなりこの案件は会社の存立に関わるかなり深刻な事態となっ…

№1662 土地賃貸借契約のABC

№1662 土地賃貸借契約のABC 貸した以上,いずれは返さなければならない。しかし,「借地借家法」という法律があって,借主の地位を強力に保護している場合がある。俗に「居住権」とか,「営業権」とか言われていて,なかなか返ってこない。 土地賃貸借の場合…

№1658 役員の退職金

№1658 役員の退職金 退職金規程には会社の経営状態によって変動することがあり得るという内容の条項を入れておくことをお勧めしたい。 取締役の退職金は役員報酬の後払いの性格を持つ。役員報酬は株主総会できめなければならないとなっている(会社法361条1…

№1652 名誉毀損記事

№1652 名誉毀損記事 新聞や雑誌記事に自社の信用が傷つけられたり,インターネット上で信用を傷つけられたりすることがある。こうした場合,企業はどのように対応するべきだろうか。 インターネットなどによる名誉毀損ついては掲載者やプロバイダーに対して…

№1366 老人を護るビジネスって?

№1366 老人を護るビジネスって? 高齢者が進んで高齢者に関連するビジネスも盛んだ。言うまでもなく老人の特徴は「健康」,「知力・意志力」の低下だ。社会的適応力が低下することは避けられない。こうした老人の最大の問題は,老人以外の第三者が老人の「幸…

№1634 意外と難しい「相殺」って何?

№1634 意外と難しい「相殺」って何? 相殺というのは「そうさい」と読みます。これは一流国立大学の学生でも読み方を知らないことがあって驚いてしまう。受験でやっただろうなどと思ってしまう。 相殺というのは簡単に言ってしまえば,貸し借りがお互いにあ…

№1633 大企業には法務部があります

№1633 大企業には法務部があります 大企業には法務部がある。一流の上場企業ともなると弁護士資格も備えたスタッフを備え充実しているようだ。 こうした法務部は中小企業ではあまり縁のないようではあるが,実際には社長や財務,総務などが法務部の仕事を肩…

№1621 税理士,司法書士が作成する契約書の危うさ

№1621 税理士,司法書士が作成する契約書の危うさ 私たちの業務において時々税理士や司法書士が作成する文書に出くわす。賃貸借契約であるとか,売買契約と言った内容が単純で,書式も一般的に流通している契約書であれば問題は無いが,オーダーメイドの契約…

№1619 民法改正

№1619 民法改正 120年ぶりの民法改正作業が進んでいる。影響が大きいということであちこちでセミナーが盛んだ。しかし,中小企業にとってはそれほど影響が大きいわけではない。大企業,特に金融関係は影響が大きそうだ。 そもそも民法って何だろう。 民法は…