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№1199 会社と刑事事件

№1199 会社と刑事事件
 会社法務が刑事事件と無関係かというとそうでもない。顧問先が刑事事件に巻き込まれることもある。こうした問題も中小企業法務の一つではある。

 例えば、社員が横領したような事例である場合には刑事告訴などが問題になるし、やめた社員がIDやパスワードを悪用して会社のコンピュータに近づけば、不正アクセス防止法などを利用して警察の捜査を入れるようなこともする。

 会社あるいは会社の役員が刑事捜査の対象になることもある。
 廃棄物業者であれば廃掃法違反があったり、あるいは産地偽装などがあれば景表法なども問題になる。賄賂や談合などで社員が逮捕されるような事態だってないわけではない。故意か過失か会社に落ち度があって警察の捜査が入るはいるというような時、警察対応や刑事訴追の対応を弁護士とともに協議することになる。

 警察の捜査が入るというの事態は実は会社もおおむね分かる。こんな時は、弁護士、社長、重役などが毎晩のように集まって協議を続け、警察がどこまで情報を把握しているか、捜査の範囲はどこまで進んでいるか、社員の事情聴取の内容はどのようなものだったかを集約し対応方法を決めていくことになる。

 警察が判断が誤っていれば、これは逃げれると考え、警察交渉に際しても不起訴の方向に持って行くことになる。警察がかなりの情報を持っており、これはもはや逃げられないと判明すれば、抵抗をあきらめ、とっとと謝罪し、社内コンプライアンス体制を整えるなど、改悛の情を示すための具体的な行動に出ることになる。ここでは早い決断と行動力が求められる。ぼやぼやしていると、社長逮捕、会社へのがさ入れと悪い方向にどんどん行ってしまう。

 本来、会社が刑事訴追の対象になるなどと言うことはあってはならないことだ。正しくがんばることが結局は会社を持続的に発展させることになる。