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№1162 内容証明郵便

№1162 内容証明郵便
 私達弁護士は内容証明郵便をよく使う。これは、郵便物の内容、到達した日付を後日郵便局が証明してくれるからだ。

 よく誤解を受けるのは内容証明郵便には特別の法的効力があるのではないかという点だ。例えば、同じ支払の請求でも、単に請求書を出しただけと、内容証明郵便で請求した場合と何か意味が違うかも知れないと思われることがある。

 しかし、内容証明郵便でも、普通郵便でも極端なことを言うと口頭でもほとんどの場合は効力は同じだ。その違いは、後で証明できるかどうかという点で違う。口頭だと言った言わないになり、結局証明できない。

 法律の世界では通知が非常に重要な意味を持つことがある。例えば、消滅時効は商事の場合原則5年だが、5年満了前に通知を出しておくと半年間事項が停止する。この時に、ちゃんと債務の履行を請求したこと、それが5年より前に届いたことを立証しなければならない。だから、最も確かな証明手段である内容証明郵便を利用する。

 ところで、世の中にはいやなやつもいて、内容証明郵便だと一切受け取らないやからがいる。これはいつも紛争の渦中にいて、正式文書を受け取ると損をすると体験が染みついている連中だ。ヤクザなどはまともな対応すると負けてしまうことがあるので受け取らないで放置することがある。

 こういう時には普通郵便を一緒に送ったり、弁護士が文書を届けたり、時には執行官送達といって裁判所の職員を利用して文書を届けたりする。

 ともかく、内容証明郵便はやはり重い印象を与えるので、法的考慮がなくとも出すことにより相手を緊張させる。あるいは、いよいよ紛争が始まるという強い警告となるので、法的な意味がなくとも通知を内容証明郵便で出すことがある。例えば、弁護士の受任通知などがそうだ。