名古屋・豊橋発,弁護士籠橋の中小企業法務

名古屋,豊橋,東海三県中小企業法務を行っています。

法務と税務

№903 子会社の債務処理

№903 子会社の債務処理 別部門の事業を展開するにあたって子会社を設立することはよくある。独立した事業とすることで、担当者は責任を感じて意欲的になるだろうし、リスクがあればそれを最小限にとどめることもできる。会計上の処理はめんどうさいが新規部…

№856 海外滞在日数と所得税申告

№856 海外滞在日数と所得税申告 日本人の妻子を持つ外国人が海外で在留中に得た報酬の所得税について、確定申告書をどのように提出するべきだろうか。国税不服審判所は年80%を外国にいて外国の企業のために働いた外国人について、日本には住所のない者であ…

№818 よい税理士、戦略的会計

№818 よい税理士、戦略的会計 弁護士が事業活動の相談をする場合には会計事務所との連携は不可欠だ。 今回、私の顧問先の事業を立て直す必要から、明確な会計が必要となっている。この会社はよく売れる商品を持っているのだが、その商品販売に対する妥当投資…

№783 税務の解釈と法務の解釈

№783 税務の解釈と法務の解釈 税務訴訟や審判例などを読んでいると、税務と法務の解釈が違うというのがけっこう当たり前に出てくる。私に言わせると、課税の対象となった事由が、私法上の実体的な効果を基にしている以上、私法の解釈があってそれを前提に税…

№723 申告の誤りで、税理士が訴えられた事例

№723 申告の誤りで、税理士が訴えられた事例 誤った申告のために重加算税、延滞税を追徴された場合、税理士に責任追及できるだろうか。弁護士はある意味どん欲な職業で誰にでも相手に裁判する。税理士も例外ではない。時には弁護士を弁護士が代理人となって…

№652 固定資産評価を争う

№652 固定資産評価を争う 固定資産税を争うにはどうしたらいいだろうか。 固定資産税は固定資産評価を基準に決められている。固定資産評価は市町村に設置されている固定資産課税台帳に記載されている(地方税法382条の2、1項)。 その産評価は固定資産評価基…

№651 「冷凍庫」、固定資産税の誤り

№651 「冷凍庫」、固定資産税の誤り 特に不動産を事業のネタにしているみなさまへ。 固定資産税、都市計画税はいずれも土地、建物の不動産を課税客体とする地方税である。不動産取引の時によく出てくる。都市計画税は都市計画事業に充てるために徴収する目的…

№594 違法な課税は国賠でも可能

№594 違法な課税は国賠でも可能 課税処分は不服のための特別手続きが用意されている。これは期限が厳格だったり、行政不服審査が前置だったり、いろいろ制約がある。 違法な課税処分に対して、税務訴訟とは別に国家賠償請求によって支払いすぎを取り戻すこと…

№506 役員個人の破産と退職年金(こんな税金問題が?!)

№506 役員個人の破産と退職年金(こんな税金問題が?!) 労働者は労働法制によって保護されているが、役員はその保護の対象外である。役員報酬や役員退職金は通常の貸金と変わらない扱いをされてしまう。 事例は退職年金制度のある会社役員が破産した事例だ…

№469 DES(Debt Equity Swap)=債務の株式化

№469 DES(Debt Equity Swap)=債務の株式化 税理士さんとの勉強会に出席しているが、DESが話題になった。これはかなり難しくて私にはよく分からない。 デット・イクイティ・スワップ(DES)というのは、債務を放棄してもらう代わりに株式を割り当てる方式を…

№462 事業譲渡と第二次納税義務

№462 事業譲渡と第二次納税義務 知り合いの会社は長年固定債務に苦しんできました。今回、事業譲渡の話がありました。知り合いは私の会社に事業を譲渡して、会社を整理し、社員の雇用を守ろうという考えです。社長が社員のことを思う気持ちや、事業自体は良…

№421 知らない間に遺産分割協議が? 相続税更正はいつまでにできるか。

№421 知らない間に遺産分割協議が? 相続税更正はいつまでにできるか。 中小企業は企業と社長との区別があいまいだ。社長個人の相談に乗ることも多い。その一つが相続事件だ。今回は、相続と税務がテーマだ。 遺産分割協議が未確定な場合、法定相続分に従っ…

№367 税理士という業態

№367 税理士という業態 最近税理士さんと交流することが増えている。実は私自身も税理士資格を持っている。 名ばかり税理士になっているが、それでも税理士業務の展開は興味深い。 税理士の業務は税理士法が定めている(法2条)。それによると、税務代理(行…

№327 船乗りの住所

№327 船乗りの住所 居住者と非居住者とでは所得税の課税のしかたが違う。居住者は全ての所得を申告しなければならず,非居住者は国内所得について課税される。 船乗りの場合は,1年の大部分を外洋で生活しており,日本国内で生活する期間はわずかしかない。…

№304 不正経理と税金(泣きっ面に蜂)

№304 不正経理と税金(泣きっ面に蜂) 税金訴訟の事例を見ていると、本当に「泣きっ面に蜂」という場面がよく出てくる。税金というのは容赦ないし、税務署はいつも暴力的だ。 東京高裁平成21年2月18日判決の事件は、不正経理の「泣きっ面に蜂」事件だ。 経理…

№248 錯誤と納税 (3) 税理士のための教訓

№248 錯誤と納税 (3) 税理士のための教訓 東京地方裁判所 平成19年(行ウ)第322号 前回の続きです。 この事例は遺産分割協議の工夫を税理士が誤ったため,同族会社の株の評価額が異常に高くなった事例だ。 一度申告したら原則として変更はきかない。しかし…

№247 錯誤と納税 (2)

№247 錯誤と納税 (2) 東京地方裁判所 平成19年(行ウ)第322号 前回の続きです。 この事例は遺産分割協議をした際に,配当還元方式で株価を計算すれば評価額が小さくなるところ,その適用を受けられなかったという事例である。類似業種比準方式であれば株式…

№246 錯誤と納税 (1)

№246 錯誤と納税 (1) 東京地方裁判所 平成19年(行ウ)第322号 税金は納税制者が確定申告を行うことによって確定する。しかし,勘違いというのは必ずある。この勘違いは「錯誤」という言葉で呼ばれることある。こんなはずではなかったと言うときに,法律はど…

№237 弁護士の仕事,税理士の仕事

№237 弁護士の仕事,税理士の仕事 弁護士が提出する書面というのはけっこう修正がきく。例えば,訴状であるが主張が誤っていたり,何らかのミスがあっても修正すればよいと言うのが頭にある。複雑な訴訟にあっては最初から何でもかんでも分かるわけではない…

№233 相続税の課税価格の計算方法について

№233 相続税の課税価格の計算方法について こういうテーマは弁護士の私が書いて良いものかと思うが,勉強ノートであるということでお許し下さい。 さて,前回での不服審査事件であるが,相続税の課税価格の計算方法が争点となった。問題点は遺産分割協議が終…

№232 金銭債権の評価(評価基本通達)

№232 金銭債権の評価(評価基本通達) 最近税理士さんの勉強会に出席するようになり,税務と法務とが随分交錯していると改めて感じている。私達は日常生活で法律相談しているが,税理士さんは違った意味で法律が必要だ。 その中で債権の評価が問題となった。 …

№149 行為計算否認

中小企業法務 №149 行為計算否認 前回のブログにも記載したが,ある事情から私は税理士資格も取得し,税理士の勉強会に出席した。 他の専門家の会議はそれはそれでおもしろい。この勉強会では「行為計算否認」という言葉を初めて聞いた。法人税法132条1項が…

№148 税務勉強会

中小企業法務 №148 税務勉強会 今年から税理士登録をした。形の上では弁護士でかつ税理士ということになる。もちろん,餅屋は餅屋ということで,にわかに税理士業務ができる訳ではない。むしろ,税理士さんたちと共同の仕事ができないかというのが今回登録の…

№104 複雑すぎるぞ、中小企業税制

中小企業法務 №104 複雑すぎるぞ、中小企業税制 弁護士はその事件限りの専門家となる。例えば,税制がそうだ。弁護士は税務訴訟を進めることができるが,税理士の援助無くして裁判ができる弁護士は非常に少ないだろう。つまり,弁護士は事件限りで専門家にな…