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№818 よい税理士、戦略的会計

№818 よい税理士、戦略的会計
 弁護士が事業活動の相談をする場合には会計事務所との連携は不可欠だ。
 今回、私の顧問先の事業を立て直す必要から、明確な会計が必要となっている。この会社はよく売れる商品を持っているのだが、その商品販売に対する妥当投資額を決めかねている。

 というのは、ここまで売れるためには様々な販売戦略を駆使してきたのだが、その経費はあまりにも膨大だった。一定の商流はできた。そして、これから売れるぞ、というときにリーマンショックがやってきて、長期の低迷に入ってしまったのだ。

 もちろん、せっかく育てた商品だ。何とか生かしていかなければならない。
 しかし、一方でこの先は販売のための投資額を削減しなければならない。この難しい舵取りは、正確な会計無くしてあり得ない。

 私はかねがね、税理士の先生には戦略的な会計をアドバイスする能力が必要ではないかと思っている。それは、単に税務申告するだけではなく、その会社の事業展開に沿った会計の組み立てが必要だと思うのだ。

 例えば、長期債務などに苦しむ企業の場合、短期債務の解消ならび長期債務の削減は重要な課題となる。当然のことながら銀行対応に必要な財務諸表が必要だろう。返済の原資を生み出す利益が正確であることは言うまでもない。正確な資金繰り表も必要だろう。できたら、複数の金融機関との交渉や、返済額の縮小のための措置も必要かも知れない。

 今回のように売れ筋の商品をこの先も強力に推し進めながら、もっとも効率よく営業に資金投資できるための会計なども必要かも知れない。

 こうした会計を戦略的に考えることのできる税理士が最近ではよい税理士というのではないだろうか。