名古屋・豊橋発,弁護士籠橋の中小企業法務

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ドラッカー

№962 撤退の決断

№962 撤退の決断 顧問先の経営分析を会計士の先生と行っている。特定の事業部門を分析した結果、どうもよろしくない。この会社は新方向としてこの部門を重視して投資を続けてきた。確かに売上げは急激に伸びた。利益率が悪く成果が出ていないのだ。 中小企業…

№959 新規事業の開拓

№959 新規事業の開拓 ドラッカーは事業の革新について次のように言う。 「企業が新規事業を開拓するとは、厳密には、現行の事業をとおして将来への備えを進め、新しい事業への脱皮を図る態勢を整える、という意味である。既存事業、とりわけ成果のあがってい…

№941 マネジメントの普遍性

№941 マネジメントの普遍性 マネジメントは企業目的を達成するために組織の人的、物的資源を統合し、成果を引き出していく。企業運営のあり方は組織のあり方として普遍性を持つ。どのような組織であれ、目的があり、その目的実現のために活動する。 組織が持…

№902 社長の役割、マネジメントの目的

№902 社長の役割、マネジメントの目的 ドラッカーによると企業の目的は顧客の創造にある。利益は目的達成の重要な指標であるが、活動の制約要因でしかない。顧客が創造されるとは社会が事業を受け入れているといことになるし、事業は価値を生み出しているこ…

№901 組織をどのように作るか

№901 組織をどのように作るか ドラッカーは組織を作るに当たって、重要活動を押さえておけばよいとしている。ドラッカーの考えは「組織は戦略に従う」であるが、戦略を作り上げ、大聖堂を組み立てるように組織を体系的に作り上げていく。 その場合、重要活動…

№899 組織は戦略に従う

№899 組織は戦略に従う ドラッカーにいくつか重要な考えがある。たとえば利益は活動の制約要因である、責任ある労働者とか、事業の目的は顧客の創出であるとか、いろいろある。そうした重要な考えの一つに「組織は戦略に従う」という考えがある。 このテーゼ…

№896 マネジメントの限界

№896 マネジメントの限界 ドラッカーの本は教訓に満ちている。 マネジメント科学の分野は「問いを投げかけることこそ最大の強み」であり、問いに対する判断を行うのはマネージャー、社長の役目ということになる。マネジメント学者は「判断をめぐる洞察」を行…

№886 成果への意欲(The spirit of perfomance)

№886 成果への意欲(The spirit of perfomance) ドラッカーは言う(「マネジメントⅢ」日経BP社、189頁)。 「組織の目的は、平凡な人材から非凡な成果を引き出すことである。 組織は、天才を頼るわけにはいかない。天才はいつの時代にも一握りしかおらず、そ…

№881 知識労働者 knowledge worker

№881 知識労働者 knowledge worker ドラッカーの重要な考え方に「知識労働者」という言葉がある。この言葉は「断絶の時代」でドラッカーが初めて使った言葉で、今日ではマネジメントを語る上では重要な言葉になっている。組織に対して、自ら責任を自覚して、…

№874 マネジメント開発 幹部、後継者の育成

№874 マネジメント開発 幹部、後継者の育成 「将来を見通すことは誰にもできない。このため経営層が合理的で責任ある判断を下せるためには、自分たちの判断にどこまでも従い、危機にあってもそれを守り抜いてくれる人々、つまり将来のマネージャーたちを選り…

№866 社長の役目、上司と部下の権関係

№866 社長の役目、上司と部下の権関係 「GEライティング事業部のマネジメント憲章に、アメリカ合衆国憲法になぞらえてこう書かれている。『高位のマネージャーの権限として文書に明確に定められた内容以外は、全て下位のマネージャーに委ねられる』。」(「…

№862 「何が正しいか。」、社長とその仕事

№862 「何が正しいか。」、社長とその仕事 「冷たく、人好きがせず、要求水準の高い人こそ、得てして誰よりも多くの人材を導き育てる。そのような人は、人好きのする人物よりも、多くの尊敬を集める。部下に対しても自分に対しても、仕事への厳しさを要求す…

№859 マネジメントとは何か。経営者の資質

№859 マネジメントとは何か。経営者の資質 私はマネジメントというのは、事業の持つ資源の全てを目的実現のために最適化を図る作業であると思う。経営者は事業(マーケッティングなど)、組織、社会関係(社会的信用、社会的な貢献)などあらゆる場面を総合…

№841 社長の生産性、知的労働の生産性

№841 社長の生産性、知的労働の生産性 中小企業においては社長が知的労働者としての生産性も担っている。大企業のようにすぐれた人材が組織的に配置されるということはない。せいぜい4~5人程度の人材が社長のもとで率いられていくということになる。 ブルー…

№809 過去との決別 ドラッカー

№809 過去との決別 ドラッカー ドラッカーは戦略的プランニング(strategic planning )を説明する。 短期、長期のプランニングを行って、現場の作業に落とし込むことを述べているが、それは単純な予想技術の組み合わせではない。ドラッカーはプランニングする…

�804 事業者の3つの務め ドラッカー

№804 事業者の3つの務め ドラッカー ドラッカーは事業者には3つの務めがあるという(マネジメントⅠ、121頁 日経BP)。 マネジメントではこれらの3つの務めが同時に行われることになる。 第一の務めは「経済活動を行う。」である。組織は社会の中で特定の役割…

№769 変化の時代とドラッカー

№769 変化の時代とドラッカー リーマンショック、震災と余りにも大きな変化が我々を襲っている。ドラッカーはどのようにとらえているだろうか。大きな変化の前に、我々は否応なく過去との決別を求められている。 社会や経済は、いかなる企業をも一夜にして消…

№761 もし、あなたがドラッカーを応用したいと思ったら。

№761 もし、あなたがドラッカーを応用したいと思ったら。 1. 企業理念と顧客との関係は実践的だろうか もし、あなたがドラッカーを応用したいと思ったら、まず、あなたの人生を振り返ってみよう。あなたの事業は誰に支持されて存在してきただろうか。あなた…

№720 ドラッカーのリーダー像

№720 ドラッカーのリーダー像 ドラッカーの語録は示唆に富んでいる。こうして時々見て、ドラッカーを復習するのは有益なことだ。 「ドラッカー名言集」(ダイヤモンド社)より 信頼するということは、リーダーを好きになることではない。常に同意できること…

№686 変化がなければ生きていけない

№658 変化がなければ生きていけない 最近、ヒマを見つけては「ドラッカー名言集」(ダイヤモンド社)を読んでいる。 ドラッカーはけっこう分厚い本が多いので本格的に読むとなるとかなり決意がいる。なかなか決意に至らないので名言集をぱらぱら見ては、そう…

№512 読了。ドラッカーから得たもの。

№512 読了。ドラッカーから得たもの。 ドラッカーの「マネジメントⅡ」もようやく読み終えた。ドラッカーは短い問いの形でまとめることが多い。和訳は適切なのだろうが、時々、原文にも当たりたくなる。「マネジメントⅠ、Ⅱ」の原典は入手できなかったが、ドラ…

№509 The responsible worker (3)

№509 The responsible worker (3) (前号より続く) ドラッカーはこの「関係」について、「共同体」という考えを取り入れている。職場は人の全てを支配できない。細かく「アメとムチ」を定めても意味はない。他人が達成感をもたらすためのプログラムを定めて…

№508 The responsible worker (2)

№508 The responsible worker (2) (前号からの続き) もちろん、X、Y、どちらかということはない。この議論はむしろ、X理論にこだわりすぎるアメリカ流のやり方からの脱却を求めている。つまり、アメとムチという単純な理屈によるコントロールはもはや古い…

№507 The responsible worker (1)

№507 The responsible worker (1) ドラッカー「マネジメントⅡ」161ページから285ページにかけては人の管理について述べている。私にとっては非常に重要な意味を持つ。そこで、改めて内容を整理しておきたい。 人は利益だけで誘導されない、人は罰だけで動機…

№504 社員は仲間

№504 社員は仲間 ドラッカー「マネジメントⅡ」も284ページまできた。 ドラッカーの描く組織像を一言で表すのは難しい。一言で言うならば働き手に権限と責任を持たせる職場ということになろうか。 ドラッカーは「誰もが、自分の業務とチームへの責任、組織全…

№498 簡単でシンプルなプロセス(=仕事)にする。

№498 簡単でシンプルなプロセス(=仕事)にする。 仕事はプロセスであり、体系的なものだ。 事業の基本理念のもとに方向性を決め、仕事に含まれる工程、ユニットを体系的に組み立てる。 仕事=プロセスの方向性が決められたら次はツールの選択だ。 ツールは…

№497 仕事をプロセスとしてとらえる。

№497 仕事をプロセスとしてとらえる。 ドラッカー流の管理は働き手が最良の仕事ができるよう配慮すること、ルール作りをしてくことである。人を規制して監視するものではない。適切な管理によって人は能力を伸ばし、生き甲斐を感じ、生産性は伸びていく。 ド…

№492 管理は人を生かす道具

№492 管理は人を生かす道具 ドラッカー「マネジメントⅡ」も徐々に読み進めている。Ⅱは具体的になるためちょっと難しくなっている。そうは言っても,抽象的な概念が登場するため、よく分からない時がある。日本語訳は適切なのだろうが、どうしても原典にあた…

№483 ドラッカーの落とし穴

№483 ドラッカーの落とし穴 ドラッカーを読み始めて驚くことが多い。彼の考えが「自由」という思想で貫かれていることと、マネジメントの関する精緻な分析力は魅力的だ。ドラッカーの「自由」は組織が大きな影響力を持つ現代社会の中での「自由」のあり方を…

№482 ドラッカー概観

№482 ドラッカー概観 やっと、ドラッカー「マネジメントⅠ」を読み終えた。職場に行くまでの地下鉄社内で読んでいるのでなかなか進まなかった。細切れに読んできたので、全体像がよく分からなくなってしまった。ということで、少し整理してみたい。 1. ドラッ…