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№498 簡単でシンプルなプロセス(=仕事)にする。

№498 簡単でシンプルなプロセス(=仕事)にする。
 仕事はプロセスであり、体系的なものだ。
 事業の基本理念のもとに方向性を決め、仕事に含まれる工程、ユニットを体系的に組み立てる。
 
 仕事=プロセスの方向性が決められたら次はツールの選択だ。
 ツールは機械だけではない。仕事の中の単位となる行程,単位ごとの処理方法も含まれる。

 ドラッカーはツールを選択する際、「この仕事を簡単にこなすための、最もシンプルで小型軽量のツールは何か」という問いこそが重要であるという。これは、設備導入に関するものだが、この考えは仕事というプロセスの全てに当てはまる。
 
 私たちは仕事というプロセスを分析し、合理化しなければならないのだが、その時、私たちは「簡単でシンプルなプロセスにする」ということを絶えず心がける必要がある。
 
 緻密であることと複雑であることを勘違いして無駄な段取りや、無駄な検査、無駄な分散をしているかもしれないのだ。
 たとえば、100回の検査は、要所における1回検査に及ばないかも知れない。
 上から下に物を運ぶ作業をロボットにさせるより、重力を利用して自然落下させる方が緻密で高度な場合だってある。
 温度調節は人がやるより、サーモスイッチの方が確実でシンプルな場合もある。
 
 ドラッカーの教科書ではさらに「簡単でシンプルなプロセスにする」点について、原則と例外、定型化という発想が重視されている。「自然界の現象はみないくつかのパターンに分類でき、それぞれのパターンは確率分布をもとに定型化できる。」という考えだ。仕事の背後にある隠れた類型をいかに見いだすかもマネジメントの重要な役割だ。
 
 定型化された作業はまとめられ、機械に任せた方がいいかもしれない。分業してまとめた方が合理的かも知れない。さらには外注に出した方が合理的かも知れない。いずれにしろ、それにより合理的処理の足がかりをつかむことができることになる。