№2287 うつ病,主治医に会ってみる
企業でうつ病対応しなければならなく例が増えているように思う
うつ状態になると仕事の能率が悪くなる。薬が強ければ仕事中に居眠りをしてしまう。仕事も休みがちになる。ひどけれ本人を説得して辞めてもらうということになるだろう。
休職という対応があります
しかし,社員はともに会社を作ってきた仲間だ。そう簡単に辞めさせるわけにもいかない。その場合,休職という選択もある。休職というのは一定期間の間に復職できなければ解雇となるというもので,私たちの世界では条件付きの解雇と呼んでいる。休職については就業規則を整備しておいて下さいね。
主治医の「治ゆ」の判断が職場復帰可とは限りません
休職中,治れば職場復帰する。この治るという判断が難しい。労働契約からすれば,賃金の対価たる職務ができるかどうかが復職の基準だ。診断書にはよく「治ゆ」と記載されいることがある,主治医が治ったと判断しても,職場復帰できる程度に回復したかどうかは別であることもある。
うつ病ではこの判断が難しい。
主治医に会ってみよう
少なくとも主治医に会ってみる,会う努力をする必要がある。就業規則も整備して会えるようにしておくこともがガバナンスの課題としては必要だ。
会社側の努力を指摘した判例ではこのように指摘している。
主治医に会うときの作法
主治医に会う場合,辞めさせるために会うという姿勢はよろしくない。あくまで職場復帰可能かどうか,本人への配慮という考え方をとるのがよいと思う。その上で,職務内容を医師に丁寧に説明し,本当に可能かどうか判断を求めることになるだろう。特に主治医は業務内容については全くシロウトだし,おまけにそれほど関心がある訳ではないから業務の説明は重要なことだ。
本人の同席をどうするか
本人が同席するかは難しい問題だが,医師には強い守秘義務があるので,本人同席の方が事情を聞きやすい。職場での説明と医師への説明のずれがあることがあるのでその確認にもなる。本人に対してどこまで配慮したらいいのか聞いてみるのもいいだろう。
病気の経過を聞き取る
病気の経過を尋ねるのも重要だ。たいしたことないかどうかは投薬の内容からも判断できることがある。また,投薬内容や投薬量はうつ病の程度,進行状況を判断する上で重要な指標となる。初診日は意外に重要だ。
本人の言い分が正確とは限らない
うつ病の場合,本人の主訴を聞き取るため,本人のいうままに症状を判断することが多い。こうしたことを防ぐためにも主治医からの聞き取りは重要だ。
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