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番外 ばあさん、だんだん神格化してきたかな

番外 ばあさん、だんだん神格化してきたかな
 うちのばあさんは82才になる。一人暮らしなので、私の一家は毎週、ばあさんのご機嫌伺いすることになっている。
 82才になるとさすがに頭の回転も鈍くなる。頭の回転が鈍くなるというのも悪くない。最近はなんだか超然としている。

 ばあさんは、何もかも時の流れにまかせている。毎日庭いじりをする。庭の草木が芽を出し、花が咲き、また成長する様子を楽しみにしている。時々、蝶や雀が来て喜び、「猫が来てねえ、小鳥を狙っているから小鳥がかわいそうだわ。」などと言っている。

 私が、家族のことや仕事のことを話すと、「たいへんな仕事について」なんて、言ってくれるが、やはり時間の中にそんな話は消えていってしまう。老人の功徳は実にここにある。