№1381 事業承継と節税の諸問題
事業承継というのは基本的に誰かに会社にかかわる財産が移転するため必ず何らかの形で税金がかかってくる。
税金は移動する財産の単位が小さければ小さいほど課税の割合が小さくなる傾向がある。また,国民の特定の方向に誘導するため利用されたりする。そのため節税の基本は次の通りとなる。
① 長期化,細分化,株価操作などを通じて移動する財産の単位を小さくする。
② 相続をしやすくするための各種制度を活用する。
事業承継にあたって節税する場合,忘れてはならないは1回では終わらないということだ。息子が跡を継ぐ場合,じいさんが先に亡くなり,次にばあさんが亡くなる。その全体像を見ながら長期的な戦略を立てることになる。
これは余談だが,ばあさんに株を渡した場合,ばあさんがいつまでも正常とは限らない。特にばあさんは経営に携わらないことが多いためかなり無責任な行動をすることがある。本当はいっしょに住んでいる息子に株式を譲らなければならないところ,時々やってきて親切にしてくれる娘に譲ってしまうと言うとんでもないばあさんがいる。
ともかく,相続によって事業承継させる場合,各種制度について概要ぐらいは理解して,税理士さんと相談してベストチョイスをすることが肝心だ。
私は税制についてはよく分からないが,事業承継に関わる本を読んでいるとこんなところがある。これに,株価操作などを組み合わせて事業承継を進めていくことになるのだろう。
① 110万円生前贈与の無税枠
③ 相続時精算課税
④ 小規模宅地の評価減
⑤ 養子縁組による基礎控除の増加
もちろん,事業承継は相続税対策ばかりでは内。会社の支配のあり方とか,今後の会社の展開合わせた組織展開とかいろいろある.親族間の争いについても対策を講じることになるだろう。こうした問題は弁護士の役目ということになる。