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№1959 生前事業承継、知ってて損はないこと(1)

№1959 生前事業承継、知ってて損はないこと(1)

 事業承継は①法定相続人対策、②税金対策、③資金対策につきる。
 社長の生前、何を準備品しなければならないだろうか。
 
1. 遺留分って何?
 法定相続人がいる場合、生前贈与、遺言を活用するが、遺留分というやっかいなものがある。これは遺言があっても本人が請求するとどうしても分け与えなければならない財産で、相続分の2分の1となる。但し、兄弟姉妹が相続人の場合(本人に子も親もない場合)は遺留分はない。

 相続の場合、法定相続人が相続分や遺留分を主張した場合、承継者(たとえば長男)はその分の財産を渡さなければならない。たとえば会社の株価が高い場合、株式を取得するとそれで長男の取り分は終わってしまい、他の相続人に渡す財産がなくなってしまう。相続人への支払いのために借金することもできず困ってしまう。

2. 遺留分対策
会社の株式については遺留分を生前放棄してもらう
 こうした対策は「中小企業円滑化における経営の承継の円滑化に関する法律」という長い名前の法律があり、他の相続人に対して株式に関しては相続放棄を許す制度がある。正確には、遺留分の算定するための財産から除外する(要するに株式を遺産として扱わない)、会社の価値を固定するというような制度がある。

生前に売買する
 先代の生前に株式を承継者に売る。これは対価が支払われているので遺留分の問題は生じない。もっとも承継者に資金があるかどうかが問題だが、給料を高くするとか、事業承継資金の特別融資制度を利用して資金を獲得する。この時に何か株価を下げる捜査が必要だ。

無議決権株式を作っておく
 税法上、議決権のない株式もある株式も価値は同じだ。そこで、生前無議決権株式を作っておいて、他の相続人にわたるように遺言を作っておく。中小企業の場合、無議決権株式ほど意味のない株式はない。議決権がない上に、配当もない。持っていれば相続税もかかるというように損ばかりする株式だ。遺留分を主張する場合に、無議決権株式を渡してしまうという方法もある。

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