№1958 コンサルティングの意味
昔よんだ「経営コンサルティング」(生産性出版)をまた読んでみることにした。昔とはずいぶん印象が違う。
知識の移転(knowledge transfer)
コンサルタントはクライアント組織の運営や発展に効果的である。それは組織の管理や運営に知識を提供するからだ。
その知識は専門技術的なスキルから、ノウハウ、あるいは「理論的な知識」も存在する。私が携わる弁護士も法律知識を提供する点ではコンサルタントだ。重要な点はその専門知識が組織のマネジメントを前進させるかどうかという点にある。
どんな高度な法律知識も事件解決に役立たなければ意味はない。同様にコンサルティングが効果的であるためには組織運営、つまり組織マネジメントに有益である必要がある。
知識の移転は実践的であるべきだ
ビジネスの世界は常に実践的だ。現実の世界を動かして利益をえてこそ意味がある。それは専門知識が、「千変万化の経営管理状況の効果的対応方法に関する相当な知識」が移転される。それは学習と実践によって得られる知識であり、「理論上の勉強だけで得ることは不可能」である。
当然、優秀なコンサルタントは単に理論において優秀だけではなく、現場への適応力においても優秀である必要がある。弁護士も同じだ。法律論において優秀だけではなく、現場での適応においても優秀である必要がある。
クライアントが最高の先生
経験はクライアントと共に仕事をすることを通じて学ぶ。
製造業者は顧客から学ばなければならない。顧客の要求を引き受けることにより工夫が生まれ、技術が向上する。どうようにコンサルタントも顧客からの未知の要求に果敢に取り組み、課題解決能力を身につける。
法律の世界では訴訟が最高の先生
弁護士は一定のコンサルティング能力が求められる。これは訴訟によって身についていく。訴訟には敵対する相手方がいる。我々は訴訟に勝つために依頼者の活動をよく知らなければならない。依頼者の仕事のもっとも秘密にかかわる部分も私たちは知る。
訴訟では訴訟に至るまでになった事象に対して高度なリスク分析を行うことになる。私たち弁護士の格言に「和解弁護士になるなかれ」というものがある。判決をおそれ、適当なところで切り上げる弁護士に未来はない。判決というきったはったというぎりぎりの状況を経験して始めてリスクの本当の意味がわかる。
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