№322 再燃 借金問題
企業の債務問題が再燃しそうな感じだ。
昨年年末から3月にかけては,倒産問題の相談が連続していた。製造業関係の状況はあまりにひどく,弱いところからつぶれていった。
4月に入って,一旦落ち着きを見せ始めた気がするが,最近は徐々に相談が増えている。昨年来,何度か条件変更や,追加融資,借り換えなどの資金繰り対策を行ってきた企業が,やはり景気の悪化に耐えられず,再度の資金繰りが必要になってきたからだ。現状を見ると,製造業よりもそれ以外の領域の企業が増えている。製造業は多くは乗り切っているという感じが多いかも知れない。
条件変更も,追加融資も得られない状況下にあって,万策尽きつつあると思う経営者も少なくない。が,本当に万策尽きているだろうか。
私は中小企業家同友会の経営相談室を担当し,会員向けの無料法律相談を実施しているが,よくよく整理してみると万策尽きているわけではない。
例えば,銀行を通じて,保証協会に打診してもらったらだめだったという経営者がいる。よく尋ねてみると,必ずしも資金繰り表や経営計画を作っているわけではない。どうして,だめということになるかよく分からない。これらの資料を用意し,粘り強く保証協会と交渉する手立てはある。
例えば,RCCに支払額の増額を請求された。交渉するのであるが,あまりにも淡白な交渉をする例がある。資料を示し,問題点を見つけ出す必要がある。RCCは最近は事業再生にも力を入れている。債権放棄する場合もあるから,保証協会よりも余程柔軟だ。
資金がショートしてもそれが全てではない。古い会社と共に借金も葬り去る手立ても無いわけではない。
ともかく,とことん粘る,淡白にならない。社員と自分の生活の全てがかかっていると思えば,這いずり回り,泥をかぶる覚悟でしつこく,粘ることだ。粘る手法はいくらでもある。