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№1659 社長,それってすごくないですか。

№1659 社長,それってすごくないですか。

 当事務所では時々中小企業向けのセミナーを実施する。法律問題ででセミナーを開いても面白くないので,企業経営に必要な「センス」にかかわるテーマを選んでいる。今日はこれから小出宗昭先生の講演だ。

 小出先生は「富士市産業支援センターf-Biz」立ち上げ,富士市内を中心に全国の企業経営相談を進めている。経営者がセンターを訪れ経営コンサルタントの専門家による相談を総合的に受けることができることや,対話によって企業が持っている隠れた潜在価値が引き出されていく点でとても有名になっている。

 彼の作り上げたワンストック,なんでも経営相談のスタイルはいまや「よろず相談所」として全国に広がっている。彼のお弟子さんたちの活動領域もどんどん広がっている。

 小出先生の先生の重要な言葉に「社長,それってすごくないですか。」というフレーズがある。相談者の対話の中で,相談者が持っている商品,サービスの持つ意味を見抜き,隠れた価値を引き出していく。その時の言葉がこれだ。

 会社として当たり前にやっていることが,実は別の領域から見ると驚く価値を持っていることがある。製造業部品のミクロン以上の正確さを持つ技術は製造業以外の分野から見ると信じられない技術だ。この技術が,別のセグメント,事業活動領域に当てはまると新たな顧客を引きつけていく。

 この別のセグメントをいかに持つか,別のセグメントの顧客を獲得するために会社が持っている潜在価値はどのように引き出されるべきか,別のセグメントにいる顧客に対してどのようにその価値に気づいてもらうかが彼の真骨頂だ。

 一般的にはイノベーションというのは突然生まれるものではない。自社が従来磨き上げてきた事業活動が「飛躍」する瞬間に起こる。小出先生の手法はこの「飛躍」の瞬間を作るプロセスにある。加えて,その「飛躍」して生み出された価値が,顧客に届くまでのプロセスまでも引き出していく。

 小出先生はこうしたコンサルテーションは特別な才能,つまり小出という特別な鬼才によって生み出されるものではないという。それは訓練によって磨き上げられるという。そういえば,似たような話はハーバードビジネススクールの教科書ににも書いてあったような気がする。
 
 もちろん,才能の差はある。しかし,訓練によって身につく部分,「誰でもできる」部分を知ることは経営者にとって非常に重要なことだ。今日の講演の見所の1つはそこだろう。

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