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№294 近江商人の教訓

№294 近江商人の教訓
 近江商人は「三方よし」など多くの教訓を残している。その一人である伊藤忠兵衛は丸紅,伊藤忠商事の創業者だが,利真於勤(りは,つとむるにおいてしんなり)との教訓を残している。近江商人は倹約,勤勉が第一で一汁一菜などがあったり,浄土真宗に対する信仰も篤い。

 この利真於勤とは「商人の本来の勤めを果たした結果として手にするものでなければならない。」ということのようだ。
 YAHOOで検索してみると,いろいろな会社が社是にしている。広島県の株式会社三幸社は管工事の業者だが,「水と空気を通して快適な環境を考える」となっている。

 大阪府のナニワサービス株式会社は運送会社だが,経営方針の中に「三方よし」,「利真於勤」を掲げている。
 吉村酒造は京都市伏見区を発祥とする古い酒店であるが,やはり利真於勤を社是にしている。
 社訓とはなっていないが,企業団体の間では三方よしとか利真於勤とか出てくる。

 商売に普遍性を求めるのは人の常のように思うが,それは特別な理念に支えられている。企業は社会的存在であり,社会に役立ってこそ持続する。商売人は常にリアリストだが,一方で永遠なるものに対するあこがれも必要だ。それが,企業の品格を作っている。

 「利真於勤」をキーワードに検索した会社は私は全く知らないが,このような言葉を大事にしているということだけでも信用してもいいかもしれないという感じになる。