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№2386 プラットフォームの法律上の問題点

 ビジネス法務2019年8月号、9月号にプラットフォームの法律上の問題点が整理されている。GoogleなどのGAFAがプラットフォーム(PF)のビックとして有名だが、現在では大小様々なPFが存在する。PFの利益率は70%とも言われ、高収益ビジネスであるだけに熱も大きい。

 

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1. 表示上の注意
 PFはウェブサイト上の情報を入手したり、相互に交換することで成り立つため、何らかの情報が公開されることは必須ととなる。景表法上の「優良誤認情報」の禁止(5条)や医薬品医療機器等法66条、68条、健康増進法31条1項、金融商品取引法37条2項などの規制がある。消費者向け販売行為ということであれば特定商品取引法上の表示が義務づけられたりする。

 

2. データ利用の規制
  PFでは多数上の個人情報が集まるため、個人情報保護法に関わる規制はクリアしておかなければならない。集積した個人情報を本人の意図に反して利用することは許されず、必ず同意を得ておかなければならない。
  「外部の解析業者への委託という形をとることで同意が不要となる一方、目的が他の業者にデータを販売することによる対価獲得であれば」同意が必要になる場合が多いと考えられる。
  もちろん、テータ管理は必須となる

 

3. PF運営者の民事責任
  PFが単なる場の提供者にとどまる場合には、それを利用した者の表示行為によって責任を負うことはない。しかし、何らかの形で表示に積極的に関与したり、注意を促されたにも関わらず放置していたりすれば、PF参加者に対する契約上の責任や第三者に対するものも含めて名誉や信用を棄損したということで民事上の責任、さらには刑事上の責任もありうる。

  場合によっては、古物営業法、労働者派遣法、旅館業法、道路運送法などの規制を受けてしまう。

 

4. PFの許認可
  PFが単なる広告媒体にとどまる限り特に許認可は必要はない。しかし、積極的にj仲介するような場合には許認可が必要となる場合がある。例えば、職業紹介などについては、当事者間の雇用契約の成立、雇用条件取り決めに積極的に関与するようなことがあれば有料職業紹介として許可が必要になる場合がある。

 クラウドファンディングのような資金調達に関与するような場合には出資法貸金業法上の規制を検討しなければならない。自家用車などの配車サービスなどであれ旅客運送事業法上の許可が必要になる場合がある。

 

5. 資金移動
  PF運営者にとって、どこで利益を得るかはPFのビジネスモデルにかかわる重要な問題である。情報を提供する側、情報をもらう側、あるいはその双方から料金を徴収する場合がある。

 また、関係者成約時の成功報酬、多数が行き交うことによる広告料を得る方法もある。成約後の商品供給に利益を見いだす場合もある。

 この場合、契約によって利益を確実なものにする必要がある。不特定多数の資金移転に関与したり、ため込んだりするような場合には資金決済法や出資法などに注意しなければならない。

 

総務省「プラットフォームサービスによる研究会最終報告」(案) 

https://www.soumu.go.jp/main_content/000660857.pdf

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