日本で企業再編する場合、会社分割、事業譲渡、精算手続きなどを利用する。再編、撤退に関するステークホルダーは次の通りとなる。
① 会社内での意思統一。パートナーがいる場合にはその同意。
② 債権者。特に銀行との利害調整が必要だろう。
③ 顧客。顧客が維持されなければ企業価値は下がってしまう。
④ 労働者。労働法制はもちろん労働者の意欲の持続も必要だ。
⑤ 許認可庁。事業上の各種許認可の維持など
⑥ 税務。
中国においても論点自体はは余り変わりないが重要な中国特有の問題がある。この問題が余りにも大きい。
① 法制度の不備
中国の場合、日本に比較して企業の再編、撤退に関する法整備が遅れているため、ある種の手探りのようなところがある。法律だけでは役立たず、各種通達、地方行政の条例、通知も検討しなければならない。
② 計画経済特有の問題
③ 人治主義の問題
これは法制度不備、煩雑な官僚的統制の裏返しのようなところがある。法制度上の「穴」のような部分を人脈で解決する傾向がある。日本でも同様なことがあるが、レベルが違う。
④ 労働者の問題
外国企業、特に日本企業に対して中国の視点は厳しい。労働者が組織的な統制もないまま実力行使をする危険をはらんでいる。
こうした、特徴を踏まえた上で、①パートナー、②債権者、③顧客、④労働者、⑤許認可庁、⑤税務などの諸問題に立ち向かうことになる。
中国事情の複雑さを考えると中国の場合、専門家のアドバイス無くして企業再編、撤退の整理はあり得ないように思われる。