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№2315 人は社会を作る脳を進化させた

№2315 人は社会を作る脳を進化させた

 オックスフォード大学,ロビン・ダンバーは有名なダンバー数というのを発見した。人の集団は150人ぐらいを単位に編成されるというものだ。石器時代の集落もおおよそ150名ぐらいだ。キリスト教会の教区もおおよそ150人ぐらいを単位にし,軍隊の編成も,工場労働者の単位もだいたい150人ぐらいがめやすになっている。考えてみれば,集団をつくる動物たちを見れば,種によってだいたい群れの数が決まっている。人間も同じだ。

人類繁栄の帰趨を決めた「イマジネーション能力」
 人間と動物,特にネアンデルタール人など他の種類の人類との差は集団の階層性の大きさが圧倒的に違う点にあるそうだ。集団であるということは集団でいるために何らかのエネルギーを使う。群れとして行動するための共同の合図も必要となる。サルは毛ぐつろいによって絆を確認したが,人類の場合,笑い,歌,言語,宗教によって毛ぐつろいに変わるコミュニケーション能力を進化させた。

人類種の中でホモサピエンスが優位に立った理由
 人類ももとはいろいろな種類があって,ネアンデルタール人なども別種の人類だ。進化のプロセスで現代人がテリトリーを急速に拡大し,またたくまにネアンデルタール人にとって変わったのは,ホモサピエンスの集団が高い階層性を持つ能力を発達させたからだという。新人は前頭葉や側頭葉を発達させて高いイマジネーション能力を進化させた。

高い情報交換能力と共通意識形成能力が勝負の決め手
 新人は言語を介在して150人の枠組みを超えて,相互の情報交換を可能にし,さらには「種族(トライブ)」という形で連携を図る力を身につけた。集団形成能力の違いが,ネアンデルタール人に対して,進化的競争上の優位をもたらした。要するに環境に対する高い適応能力と,争いに対する闘争能力がもたらされたということだ。

人類は高度なレベルの集団形成能力を獲得した
 さて,人類の集団の場合他の生物にはない高い階層性があるという。人類は家族を形成し,さらに親族の絆を大切にする。共通の祖先を持つことで私たちは無条件に相手を信頼する。私の場合「籠橋」という氏だが,このめずらしい氏の場合,同じ氏というだけで親族かもしれないと思い,独特の親近感を感じる。また,150人程度のトライブ相互の絆も共通の言語,共通の価値観という形で階層を作る。

人類の進化は欠乏のたまもの
 10万年前氷河期が始まり,食料が急激に乏しくなっていった。高い想像力を進化させた人類は,言語を発達させ,150人を超えた広範囲の集団を超える能力を身につけた。そして,遠隔の情報や相互の助け合い能力,集団のマネジメント能力によって危機を乗り切り,爆発的な人口増加と拡散をもたらした。

 これが,ダンバーの人類進化の仮説だ。「人類進化の謎を解き明かす」(インターシフト社) 

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