№2275　グリフォン

グリフォンは頭が鷲，胴体がライオンという幻獣だ

　強さ，美しさ，誇り高さはいつも私たちの憧れだ。グリフォンはそのいずれもが備わっている。グリフォンの胴体からは羽が生えていて空も飛べる。グリフォンの持つ冒険心は私たちの想像をかき立ててくれる。

グリフォンのすみかには金が敷き詰められている

　ヘロドトスは「歴史」の中で触れていて，金鉱を守って人間たちと戦っていたらしい。グリフォンは冨と権力の象徴でもある。ヨーロッパの王家，貴族もグリフォンを家の紋章に取り入れている。サッカーチームの紋章の中にもあるかもしれないな。

グリフォンは5000年の歴史がある

　グリフォンの歴史は古く紀元前3000年，スーサの遺跡からも見つかっているらしい。私の印象ではグリフォンというとペルシャのイメージがあるが，ギリシャ神話に出てくるイメージも強いらしい。グリフォンは神々の車を引いていて，同じく車を引く仕事をしている馬が大嫌いだ。馬を見ると食べてしまう。ペガススとはうまくいってなかったかもしれない。

グリフォンはインド，中国にも伝わっている

　グリフォンの誇り高さや美しさから地中海からヨーロッパへ，東に向かってはインド，中国にも伝わっていたらしい。調べてみると古代インドにもグリフォンはいた。古代の仏塔にグリフォンが描かれていたというし，ネパールの寺院にもグリフォンはいて，守り神としてはかなり高い序列だ。中国の史書「隋書」にも出てくるそうだ。

アニメにもたくさん出てくる

　グリフォンの画像をググってみると，いろいろアニメの絵が出てくる。美しい姿はアニメの世界ではすっかりポピュラーになっているようだ。しかし，鷲やライオンがリアルに描かれてなんだか馬鹿馬鹿しい。グリフォンは神獣なので霊的な神秘さが不可欠だ。この際，リアリティはいらない。

私的にはグリフォンの原点は不思議の国のアリスだ

　私がどうしてグリフォンに特別な感情があるかというと，それはグリフォンが「不思議の国のアリス」に登場するからだ。不思議の国をさまようアリスは眠っているグリフォンに出会い，友達となり，いっしょになってにせウミガメの話を聞く。グリフォンは乱暴な小学生の男の子ような印象で，アリスといっしょに踊ったりしている。