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№2274 勉強になるなあ。朝ドラ「まんぷく」

№2274 勉強になるなあ。朝ドラ「まんぷく

NHK朝ドラ「まんぷく」を毎日見てるぞ
 NHK朝ドラ「まんぷく」では萬平さんが即席ラーメンを開発して成功の第一歩を踏み出した。まだ始まったばかりなのに,なんと,即席麺の特許を無料開放する一方で「日本即席ラーメン工業協会」を立ち上げ,「業界」を立ち上げてしまった。業界を作ることで即席麺の品質を向上させ,即席麺市場全体の拡大を図ろうという戦略だ。

まんぷく食品の活動を見ていると,まるで経営学の教科書を見ているようだ
 マイケル・ポーターは「競争」に勝つためには業界の分析を行えと言っている。自社の競争相手がひしめく業界自体をまず分析し,成長しつつあるのか,衰退しつつあるのか,別の代替品に脅かされつつあるのか考えろという。

萬平さんは業界を作ってしまった
 私たちは多くの場合,業界そのものを動かすだけの力を持っていない,と思いがちだ。業界を動かせない所与のものととらえ,その中で自社のポジションを分析して,顧客を開拓していく。しかし,萬平さんは業界そのものは動かせるものだと思っている。そんな万平さんに視聴者はダイナミズムを感じ,共感し,いっしょになって戦っていこう気持ちにさせられる。

イノーベションが業界や市場を変える
 市場における競争を決める要素に代替品の登場というものがある。業界を決める垣根のようなものがあり,垣根を越えるような異なった商品の登場により業界や市場が変わってしまうのだ。レコード盤で音楽を提供していたらCDが発売され,さらにインターネットで配信するというような変遷は典型的だ。

 ラーメンは手間暇かけてつくるものという発想から3分でできる即席なものという代替品を持ち込んでいいる。代替品がやがて成長して一つの業界を形成するまでに至っている。

ライバルの存在は必要
 マイケル・ポーターは業界内でライバルの存在は重要だという。業界内で多様性が生まれることにより,イノベーションが続いていく。淘汰も生まれ業界の質も維持される。重要なのは業界内で独自のポジション,つまり競争を回避して自己の優位を維持する戦略の立案ということになる。萬平さんはたぶん,まんぷく食品が業界内で優位に立てるとにらみ,業界を形成していったのだろう。

「業界」そのものを動かすダイナミズムを持ちたいものだ
 私たちは「業界」そのものを動かすというダイナミックな発想をなかなか持てない。しかし,経営者たる者,それくらいの志は必要なことだ。「まんぷく」はそんな心意気を教えてくれている。

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