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№2247 労働者の解雇

№2247 労働者の解雇

労働者は簡単には解雇できません
 労働者にとって,雇用は人生を左右する重大問題だ。そのため,労働契約法は簡単な解雇を許さない。「合理的理由」「社会通念上相当である」といった厳しい要件がある(16条)。

本来,労働力の流動化は必要のようにも思います
 もし,我が国において同一労働同一賃金が徹底され,年功序列の枠組みがなく,企業の枠組みを超えた横断的な労働組合があれば,事情は違っていたかもしれない。

 私の考えでは労働力の流動化は経済を活性化させ,イノベーションを生みやすくすると思っているので,もっともっと労働者が辞めてもキャリアアップしやすい環境を整えていくべきだと思う。

そうはいっても,労働者を解雇したくなる場合があります
 そうは言っても,やめさせたい労働者が現実にいることには変わりない。いったい,多くの企業はどのようにしているだろうか。

 解雇の要件がきびしいというのは,雇用を継続して社員をちゃんと教育しろと言っているようなものだ。経営者としては「改善が見られなければ,改善するまで徹底的に教育しよう,改善が見られなければその時は解雇とならざるえない」腹をくくるひつようがある。この時の教育が問題だ。

よい企業は,「困った社員」は職場の問題としてとらえています
 問題ある労働者に対し,適切に対応できた会社の様子を見ると,「労働者個人の問題」ととらえず,「職場の問題」ととらえている例が多いようだ。
 例えば,身勝手だったり,上司に反抗的であったり,欠勤や遅刻が多かったりする例であれば,それは職場の規律や文化が「自己中心」を許す部分を持っていると考える。

このように実践しています
 他の社員から問題ある職員の様子や感想を聞いたり,あるいは教育についての協力を求め,職場全体の公式,非公式の対話,ミーティングを系統立って進めている。もとより,本人に対しては問題点を明確に指摘していくことが必要だ。時には職場改善,みなが気持ちよく働ける職場作りという考え方で,みんなの前で本人の問題点を指摘することも必要だ。改善ノートとか,いろいろ努力することになる。

教育過程でいい人に変わればいいんじゃないですか
 素質がある社員はこの過程で変化し,よい働き手に変わるだろうし,素質がなければ,職場で徐々に孤立し,居場所を失っていき,退職に至る。勘違いしてはいけないのは,これは真綿で絞めるような職場でのいじめとは異なる点だ。経営者が腹をくくるというのは,「改善すればそのまま使っていこう」いう具合に腹をくくる点だ。

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