№1850 憶測って危険!
弁護士をしているといろいろな事件があって人生を考えさせられる。
私たちの場合、人間関係が破綻したところから出発するので、どうしても人間の利己的な面を見てしまう。このような破綻は結局のところ、情報が少ない中で憶測で動いてしまう結果であることが少なくない。
つまりこうだ。
依頼者から一方的な意見を聞いて私たちはそれを代弁する。内容証明郵便を発して、返事が返ってくる。返事が来て、依頼者に確認し、初めて別の事実や別の評価があったことが分かっていく。そして、依頼者が思わぬ勘違いをしていることに気付いたりする。
弁護士の場合、当初は依頼者の言い分だけを聞いて動くので、こうした一方的な誤解は避けられない。
しかし、長年弁護士をやっていると「どうも変だ」「相手の言い分も聞いてみたい」と思うことがしばしばある。そこで、依頼者の要望で手紙を出す場合でも、時にはかなり慎重な言い回しになり、何とか直接接触する機会を作る努力をする。
憶測で動くほど危険なことはない。
憶測に潜む、いくつもの可能性あるシナリオを作り上げ、依頼者と共に慎重に選択していく。会社に大きなトラブルが生じたり、生じる可能性がある場合、私たちはこうしたいくつものシナリオの中から現実的なものを選び出し、それぞれ対応策を講じていく。
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