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№1993 経験ある弁護士の意味

№1993 経験ある弁護士の意味

弁護士もキャリアによって違いが出てくる。
 一般に若い弁護士の場合,依頼者にとっては話しやすい。活動量が豊富で適切な指示があれば,調査能力も高い。
 では,弁護士のキャリアはどこで生かされることになるのだろうか。

 キャリアの違いは弁護士がどのような弁護士スタイルで業務をこなしてきたかによって異なる。私の経験では適当なところで妥協をはかってきたかどうかで,キャリアの重みは大きく異なってくる。

 私たちは医師と違い,相手方がいるので,相手方弁護士のやり方からも多くを学びながらキャリアを積んでいくことになる。中にはすばらしい弁護士もいるし,汚くて,いやなやつだけどそれなりによく依頼者に尽くしていると思う弁護士もいるし,これはダメだなと思う弁護士もいる。

だめな弁護士
 依頼者は当然のことながら法律知識や訴訟の実際を知らないので,弁護士に言われれば従わざる得ない面がある。そのことに甘えて,いつも無難に答えを出し,追求すべきところを追求しないような弁護士はいたずらに経験を積むだけに終わってしまう。こうした弁護士は事案の説明というよりも,事案をごまかす技術に習熟することになってしまう。

能力ある弁護士
 弁護士の能力の高さという点では,調査範囲が広く,事案に対する証拠収集に執念のある弁護士は優れている。これは頭のよさや,難事件にぶつかり,乗り切ってきた経験必要だ。これが無ければ調査範囲は広がらないし,証拠収集についてどうやって厚みを増してよいか分からない。

離婚事件でもこんな風に違いが出てくる
 たとえば離婚という個人的な事件であっても会社経営に大きな影響を及ぼすことがある。

 「事業主の離婚」というテーマをとらえた場合,浮気した → 離婚 → 財産分与と親権,養育費,などというのが一般の弁護士の対応範囲だ。キャリアがなければそれで終わってしまうかもしれない。

 たとえば,それにキャリアが積まれた場合,事業主が経営している会社の将来像もどうするか考えることになる。離婚の時に自社株はどのように処理されるだろうか,離婚後子供達は跡継ぎになるのだろうか,離婚しない場合に妻に株式が相続するのだろうか,こうした「会社の持続性」など考慮しながら離婚案件を処理していくことになる。 

経験の豊かさ,能力の高さはこんな風に出てくる
 経験の豊かさは,顧客を注意深く観察し,依頼者の潜在的な問題や自らの能力を発揮する機会を察知する。

 それは,相互の会話,依頼者の発言,上下関係の尊重の度合い,会社の清潔度,機密情報の扱い方,受付の丁寧さなどから始まる。
 さらには,会社の組織,会社をとりまく環境,会社の資源,会社の活動成果及び展望など会社全体像を見渡し,その文脈で会社のかかえている問題点を俯瞰することになる。

 さきほどの離婚問題ひとつとっても,会社の生い立ち,事業承継も含めた会社の将来像を見ながら離婚に対する対応を検討することになる。そこがキャリアの違いとなって現れる。

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