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№1849 たまには古事記はいかが? なまこ

№1849 たまには古事記はいかが? なまこ

 古事記によると海鼠(ナマコ)の口は裂けている。

 これは地上界の神、サルタビコ(猿田毘古)神が海の生き物を集めて「おまえたちは天つ神の子に仕えるつもりはあるのか」と聞いたところ、魚たちはみな「仕える」と返事したのに、ナマコだけが返事しなかった。サルタビコは怒りにまかせ、短剣でナマコの口を裂いてしまった。だから、ナマコの口は裂けている。

 古事記天孫が天より下り、やがて天皇家を開いていく物語なのだが、こういうナマコの話が一体それに何の意味を持つのだろうと思ってしまう。天より神が下るという壮大な話の中に、たかがナマコの話なんかと。天皇家の正統な歴史書の割にはかなり素朴だ。

 しかし、ナマコは生でよし、干してよしの高級食材だ。古事記ができた和銅5年(712年)ころにはさらに高級で神聖な食材だったので何か由来を書いておかなければならなかったのかもしれない。クックパットにはいろいろな調理方法が紹介してあるぞ。

 かわいそうなのはナマコだ。
 インターネットで調べてみると確かにナマコの口は裂けてグロテスクだ。サルタビコはひどいやつだ。

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 私の愛読書「我が輩は猫である」には気持ちの悪いナマコをよく食べたということでこんな風に書かれている。こんな風に書かれるというのもサルタビコのせいかもしれない。

 これは「大日本女子裁縫最高等大学院 校長 縫田針作(ぬいだしんさく)」さんが、猫の飼い主、珍野苦沙弥(ちんのくしゃみ)先生に当てた手紙の一部だ。なんのことかさっぱり分からないナマコ文書だ。

「 始めて海鼠(なまこ)を食い出(いだ)せる人は其胆力に於て敬すべく、始めて河豚(ふぐ)を喫(きつ)せる漢(おとこ)は其勇気に於(おい)て重んずべし。海鼠を食(くら)えるものは親鸞(しんらん)の再来にして、河豚(ふぐ)を喫せるものは日蓮(にちれん)の分身なり。苦沙弥先生の如きに至っては只(ただ)干瓢(かんぴょう)の酢味噌(すみそ)を知るのみ。」

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