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№1203 何をなすべきか。何から撤退するか。

№1203 何をなすべきか。何から撤退するか。
 企業を取り巻く情勢は常に変化する。リーマンショックは2008年のできごとだが、あの急激な情勢変化は定着し、不況は構造化した。しかし、実際にはこれは新しい時代の幕開けかも知れない。

 この不況下、中小企業は生き残りをかけてリストラを行ってきた。同時に経理の明確化に力を入れ、徹底的に無駄を省いてきた。人員の能率も見直し、一人当たりの生産量の向上も心がけてきた。仕事が無くなって空いた時間を教育に利用した。技術者が営業担当と共に得意先を営業に回ったりした。

 生き残った企業は常に何をすべきか。何から撤退するべきかを模索してきた。
 自動車産業だけでは危なすぎると思ったかも知れない。小売だけではだめで、製造を握らないといつまでたっても高く売りつけられると思うようになったかもしれない。逆もある。製造だけではダメで、流通を確保しないとダメだと思ったかも知れない。

 日本だけではだめで、中国、台湾、ベトナム、タイと進出、外国との提携を模索しなければならないと思ったことだろう。

 各企業は何をなすべきだろうか。
 それは、このリーマンショック以降の作業をもう一度復習してみてはどうだろうか。
 危機に際して、自分たちの強みを分析し、その強化を図ったはずだ。自分たちの事業にやり残した作業が無かったか洗い直し、小さな事業でも見落としていたことはど掘り起こしたはずだ。自社の事業に無駄が無かったか、赤字を積み重ねるだけの事業が無かったかを検討し、赤字の原因を整理したはずだ。

 創業の志というのは、危機にあって威力を発揮する。
 危機に確認されたはずの創業時の志を、この時期、整理しておくことは悪くない。